金を落としそうな客に媚売りすぎる拝金主義、井雪

誰もが認める東京の京料理店の雄「京味」。この店出身の人気店も多く、「あさみ」、「新ばし笹田」などオープン時から「京味」出身の店と言うキャッチでかなり得したのではないでしょうか。そして彼らのような下っ端ではなかった料理人が出した店が歌舞伎座近くの「井雪」であります。屋号は生家である知恩院近くの旅館名だとか。カウンター7席に小上がりだけの「お任せ割烹」ですが、昨年春のオープンから瞬く間に評判店となりました。紹介制の店とのことですが、「京味」に行った事があるといえば予約が入り、住所や電話番号を開示していませんが文藝春秋社の「東京いい店うまい店」では全データを掲載していましたので今回取り上げます。
エキサイト社長ブログをはじめネットで絶賛の料理は基本的にお任せ1コース。ここまでは「京味」と同じです。食材も津居山の松葉蟹など出身店と同じルートのようですが、味わい、食後感はかなり異なります。良く言えば誰にでもわかりやすい濃く甘めの味付け、はっきり言えば年配接待族や業界人向けの品ない味付けです。輪郭がしっかりしているといえば聞こえはいいですが、京料理の真髄とは程遠い調理の連続。主人も「親方と同じではやっていけません」と言っておりました。しかし味付けだけではなく接客も親方だった西氏のいい所を見習わないのはいかがなものか。常連客には名入りの小さな提灯を店内に飾るなど気を遣っていましたが、一見客にも丁寧に対応して接客差を見せなかった西さん。ところがこの若き主人と女将は、金払いの良さそうな客とそう見えない客に対する差別が激しすぎます。常連ではないですよ、わずか2回目の客でも金があって遊び歩いているように見える人には掌スリスリで媚売りっぱなし。自慢しない客、富裕に見えない客はほとんど無視状態でありました。常連なんでしょう、味がわかる食通には見えない年配客(当然経費族)が遅くに入ってくると、出汁巻き玉子や海老風味のカレーといったある意味特別料理を出していました。一人2万5000円はかかる高額割烹料理屋です。隣からカレー香が漂ってきてはまったくの興ざめ。料理イマイチで経費族多く接客も良くない。主人と女将には早く目を覚ましまともな店運営をやってもらいたいものです。