アクセスが不便なのが難点、恵比寿ダル・マット

深夜営業、お任せコース4500円、白・赤ハウスワイン1500円飲み放題という営業で注目された西麻布のイタリアン「ダル・マット」の2号店。正式名称は「恵比寿DAL-MATTO」です。昼営業をせず、その分深夜に営業時間を延長した戦略は、今では和食や鮨屋でも取り入れてきて珍しくなくなりました。その結果、定食屋以外の昼営業をする店が減ってしまい、ちょっと凝った料理は昼に食べられなくなってしまったのが残念であります。同じ営業時間ならば、客単価が低い昼時の時間を深夜に振り替えれば、確かにその分酒代の追加が見込め、自店を締めた後の同業者や深夜族の来店も見込めます。時間的に効率化するのですが、ランチの目的の一つである余った食材の有効利用をどう転嫁したか。答えは「お任せコース」にあります。深夜では単品も出しますが、基本的には店に完全お任せ。つまり、同じ日でもパスタなど料理内容に違いを出して食材を有効利用していると考えます。
地番は恵比寿といえども駅からはかなり遠い住宅街の、1階がラウンジ、地下にカウンター8席にテーブル席と個室があるキャパ20名ほどのお店。日曜の22時頃の訪問でしたがほぼ満席で、しかも若い飲食関係者らしき人も多かった。ドルチェやエスプレッソをつけてお任せコースは5000円前後になりましたが、例のハウスワイン「飲み放題」は1500円で健在でした。
先付けに刺身系を含めた前菜が数皿、軽めのパスタの後肉料理が出て最後は再びパスタで〆るという、かなりの大食漢でも満足できるコース設定です。仕入れ食材を有効利用するコース料理は、総じて無難でわかりやすい味付けです。魚は昆布〆、パスタにフルーツを使うなど創作イタリアンでありますが、ビール2杯に白・赤ワインをたらふく飲んでの支払いが8000円。この量、価格では、食材と調理に文句をいう人はいないでしょう。ワインも1500円を考えると文句は言えません。ただし、場所が不便なので往復にタクシーを使ってしまう、飲み放題以外のグラスワインや高額なレアワインを頼んでしまうと食後感は変わりますから気をつけてください。また、ワインをほとんど飲まないお客には、それほどの価値を見出せない店でもあると考えます。