料理長交替で過大評価店の仲間入りか?龍天門

最寄りの恵比寿駅から距離があり、訪問客は近辺の住民が主体でオープン時の盛況感がまったくなくなった恵比寿ガーデンプレイス。

そんな苦戦を続けるこの地にあって、披露宴などのバンケットでなんとか堅調なのがウエスティンホテル。そのレストランの中で「食べログ」はじめ世間の評価が高いのが中国料理店「龍天門」であります。

昔何回か訪問しましたがほとんど記憶に残っていなかった友里、コラムを書いている経済月刊誌「ザイテン」の編集担当からのリクエスト(お気に入りの店らしい)に重い腰を上げたのは昨年11月半ばでありました。

結果から先に申し上げると、編集担当者には酷な食後感。巷の絶賛が完璧な過大評価であると判断するのに時間(皿数も)は必要ではなかったのであります。

まずこの店、広東料理を謳っておりますが、華である「鮮魚の蒸し物」の肝心な鮮魚の用意がない。当日に品切れていたのではなく、事前にリクエストしての「本日は入手できませんでした」ですから日頃オーダーする客がいない、つまり仕入れる機会がほとんどないのではないか。
友里が評価しないペニンシュラの「ヘイフンテラス」でも当日オーダーで対応しましたから、そのレベルがわかるというものです。

まずは前菜盛合せ。

前菜盛りあわせ

焼豚は煮物のようで蒸し鶏、車エビ、クラゲとすべてがイマイチ。

 

フカヒレ 醤油

フカヒレ すまし

フカヒレ姿煮(2種を頼む)は価格の割に本体が小さすぎで貧弱。醤油味は凡庸、すまし(衣笠茸入り)は鶏出汁が効き過ぎて味が濃いだけ。添えられたモヤシの処理も悪かった。

 

オリジナル地鶏(レモン風味)

ウリの1つであるオリジナル地鶏(レモン風味)、汁が多かったのは旨みのない鶏を隠すためなのか。地鶏の良さを感じないどころか、マックのナゲットと大差ないと言い切っても過言ではない食後感。

 

牛肉の黒胡椒炒め

牛肉の黒胡椒炒めは肝心の黒胡椒を感じずピンぼけ味。

 

麻婆豆腐

最初から期待しなかった麻婆豆腐、辣油と山椒(普通は中国の花椒ですがここではなぜか高知産山椒)を追加で頼んで甘い醤油煮込みのような味を補おうとしたのですが無駄な抵抗でありました。

 

冷やし担々麺

そしてネットで大評判の裏メニュー、冷やし担々麺の登場です。これまた甘く味濃いだけ。冷たくてその変な味の濃さが目立たないのには助かりましたが、この料理の何処が絶賛に値するのか。

5000円でビール、白・赤ワイン、そして25年もの紹興酒が飲み放題というプランは有り難かったけど、4万円突破(2名)でこの料理じゃ再訪はあり得ないと店を後にしたのであります。

最後に編集担当者の弁護として、昨年10月20日で料理長が交替していたとの情報を記して〆といたします。