2週間前から予約してまで行く店なのか、バルカ

「アロマフレスカ」で働いていたシェフが、その修業店発祥の地にオープンしたイタリアン「リストランティーノ バルカ」。瞬く間に予約困難の人気店になりました。修業店発祥の地でのオープンは縁起がいいのか、西麻布の「すゑとみ」も評判ですから、独立を考える料理人は検討する価値があるでしょう。
2週間前の14時からの電話受付で予約を入れて3名での訪問。店内はカウンター10席と4人掛けテーブル1卓に5名の個室、キャパ20名弱の小さな店です。
前菜は小皿タイプで約20種。追加料金の皿もありますが基本は900円なので、ツマミ感覚で2皿は頼めます。パスタは1800円が基本でシンプルパスタと称するものは何とマイナス300円でした。こんな値付設定は初めて見ました。メインはボリュームがありシェアを前提にしているのか、仔羊ロースト(3200円)、仔牛の炭火焼(500g4800円?)など結構高めです。
前菜は手間をかけたものが少なく可もなく不可もなし。ネットで評判のカエルのフリットやミスジ肉のタルタルも印象薄く、濃い味付けだけのバーニャカウダといい、万人ウケを狙っただけのもの。逆にメインはしつこすぎです。仔羊は脂がくどすぎて食べ切れません。仔牛はあまりに量が多いのでこれまた食べるのに苦労しましたが、明細を見て憤慨。8500円の請求ですから900gの計算になります。骨があるとはいえ3人でメインの2皿目ですよ。このポーションしかなかったのかもしれませんが、調理する前に客に確認するべきでしょう。この金額、この量では頼まないという選択肢があるからです。〆にまわしたパスタもワインの飲みすぎもあってかまったく記憶に残らないものでした。
この店の大きな問題点は皿出しの遅さです。3人で頼んだ7種の前菜が中々出てきません。前菜だけでワインが2本目へ突入、結果3本頼むことになりました。入店してからドルチェを頼まずチェックまでの3時間半超はあまりに遅い。単なる人手不足なのか、ワインを多く飲ませる牛歩戦術なのか。どちらにしても、万人ウケを狙った無難な調理で特徴のない料理の店、一人軽く2万円を突破したことも考慮すると、わざわざ2週間前に予約を入れて行く必要のない、過大評価の店と考えます。