あれはホテル西洋銀座内の鮨屋「真魚」へ行く途中でしたか。11時半過ぎだというのに20人近い行列を発見したのです。すぐさま何の行列かと確認したところ、「松輪」という看板の店の前に並んで居るではないですか。
早速リサーチしてどうやら鯖で有名な松輪港直送の和食屋で、TVなどで紹介されたアジフライ定食(平均70食限定)狙いの行列であることがわかたのであります。
昼になかなか行列できない友里、夜も人気と聞きまして、松輪の鯖が入る最高値コース(1万円)を事前予約して早速訪問したのは11月はじめでありました。
すべてが松輪港か三浦半島からの直行だという「京ばし 松輪」の魚料理、結論から先に言わせていただくと、調理は単なる味濃い居酒屋レベルで肝心の魚自体も質良くない。
限りなく養殖に近い食後感であったのです。
まずは生しらすの沖漬けやアンキモなどのどうってことない味濃いだけの先付けでスタート。期待が落胆へと一気に転換した瞬間です。
造りは量だけは立派。焼き霜造りの真鯛や石鯛、マハタ、ヨコワ、シマアジ、サワラ、鰹、赤カマス、ミル貝、タコとアイテム豊富ながら、どれ一つとして感心するものなし。
産地直送だかなんだか知りませんが、これなら築地経由の鮨屋の刺身の方がはるかに美味いではないか。
しかも添えられた山葵、添加物がてんこ盛りの「混ぜ山葵」なんですね。あまりのMSGの多さに閉口。
山葵なしでは質悪すぎて食べられず、さりとてこの山葵では気持ち悪くて食べにくい。ホント、食べきるのに一苦労したのであります。
ウリの松輪鯖もまったく美味しくなかったことを付け加えさせていただきます。
次に出た鯖の塩焼きも肝心のうまみに乏しかったけど、次の一品伊勢エビの登場には友里、驚いて掘りごたつから転げ落ちそうに(なるはずない)なったのであります。
最高値コースを頼んだから、品数稼ぎで一見豪華に見えるこの食材をだしたのでしょうが、当然ながら美味しくなかった。黒ムツの煮付けも居酒屋レベルでもう1つのウリ、アジフライも混ぜ山葵乗せでダメ出し。
〆の鯖鮨も美味しくなかった。
酒類の値付けが安いのが唯一の救いで、シャンパン(6900円)飲んでの支払いが2名で3万円前後で終わったのです。
そこで翌週、昼のアジフライ定食(1200円)にチャレンジ。案の定昼も混ぜ山葵は健在でありまして、揚げすぎと質がイマイチなのかアジの味が薄すぎ。
づけ(プラス300円)は逆にづけ汁が多すぎで濃い味で閉口と、この料理のどこに人気があるのかさっぱりわからず店を後にしたのであります。
行列に釣られてはいけないという典型例の店であると考えます。