店前に放置された「ブツ」を見てビックリ、和楽惣

南麻布にある高額居酒屋ですが、開店前の店先に積み上げられた「ブツ」を見なかったら、友里は訪問しなかったでしょう。店が開く前に配送業者が置いたとみられる積み上げられた箱を見て私は驚きました。なんとヒガシマル醤油の「割烹関西白だしつゆ」の山。こんなモノを堂々と置いたら、「弊店は『業務用の出汁の素』を使っています」と公言しているようなものです。影響力のある有名ヨイショライター「さとなお」氏も褒めていた店だけに私は訪問を決意しました。まずは事前準備にネットからこの「割烹関西白だしつゆ」を1200円ほどで購入。ラベルには大きく赤字で「業務用」と書かれてあり、原材料には「アミノ酸系調味料」の他、蛋白加水分解物や各種エキスなど添加物が盛り沢山です。料理によって希釈倍率が違いますが、吸い物推奨の14倍で味見したところ、不自然に濃くて甘ったるいものでした。
店内はカウンター10席、テーブル10席に個室もありかなりの大箱です。
最初の訪問では豊富なアラカルトに挑戦しました。しかしメニューにご飯物しか金額が明記されていないのはいかがなものか。支払い時に各料理は1000円前後で、客単価は1万円前後とわかりました。刺身類はこの価格帯の店ならまずまずのレベル。しかし、大関納豆(刺身の魚が5種入った玉子で和えた納豆。横綱納豆は10種になる)はアイデア倒れ、ワインを隠し味にしたという黒豚スペアリブの肉じゃがは、ジャガイモと人参がたっぷりながらやはり味濃く甘すぎ。例の出汁を使用していると推測される水菜のお浸し、揚げ出し豆腐もやはり不自然に味濃すぎでありました。全般に甘ったるく味濃すぎで、正に「さとなお」さんや山本益博氏の好みの味付けと言えますが、この味に慣れたらまともな和食が物足りなくなってしまいます。
再訪で6500円のコースに挑戦。〆のカレーまで10皿以上のコースは、この店の味付けに抵抗の無い人以外、つまり本物の出汁を知っている人にはやはりおススメできません。ある日の17時頃、店先で今度は発泡スチール箱の山積みを目撃しました。共同配送で運ばれた魚類だと思うのですが、これを見て客がネガティヴに感じることがわからないのか、「出汁の素」放置といい、リスク管理に甘い店であります。