高くてヌルいけど味は悪くなかった、ハプスブルグ

赤坂にオーストリア料理店があると友里が聞いたのは数年前のこと。でもその「カー・ウント・カー」(赤坂)へ行った食べ仲間の「巷の高評価が理解できない」との感想を聞いて訪問を控えていたのです。
その赤坂店を閉めて銀座に「銀座ハプスブルグ・ファイルヒェン」という難しい店名で再出発。週刊文春で好意的に取り上げていたので、思い切って訪問したのは9月の終わりでありました。

銀座中央通りに面した新しめのビル7階。でもこのビル、他の階のテナントが居酒屋が主体でとても客単価2万円前後の高額店が入るような雰囲気ではないのであります。

この環境がいけなかったのか、この日の客は我々以外に1組と寂しい限り。人のこと言えませんが地方から来た曰くありげなカップルでありました。

まずはグラススパークリング(1500円とまずまずの価格ながらシャンパンではなくしかも気が抜けていた)で乾杯。
我々は最高値の1万5000円コースにワインペアリング(6850円)を選択しました。

メインは変更出来るとのことでウイーンカツレツを頼もうとしたのですがなんと売り切れとのこと。文春で取り上げられたからとの弁解でしたが、その日に仕入れはしなかったのかと驚いたのであります。

まずは岩魚のムースやカボチャのスープなどアミューズが数皿。可もなく不可もないと感じましたが、ネットで評判なので追加した梅山豚の生ハム(1470円)は塩強くなく美味しかった。
続くウズラと鴨フォアグラのソテー、皿が冷え気味なのが難点でしたが、貴腐ワインの風味付きで悪くはなかった。ウイーンスープなるものは彩菜鶏のパイ包み入りでしたが残念ながら牛ベースの旨みを感じ取れませんでした。

スモークサーモンを包んだラビオリにアサリのソース、これまた皿が温かったが味は良かった。ラビオリの皮は固かったんですけど。
そして〆はマンガリッツア豚のグーラッシュ(煮込み)であります。量は多くなく煮込みのツメはやや緩めながら、パプリカ風味(オーストリアはパプリカをよく使うとか)でこれまた悪くない食後感であったのです。

ワインのペアリングは皿ごとにでてきましたが、この手のワインに疎い友里、なんだかさっぱりわかりませんでしたが7000円弱を考えれば、これだけ飲んだら元をとったと感じたのです。

12%のサービス料も効いて支払いは一人当たり3万円超。オーストリア料理にしては高過ぎだと思いますが、皿を熱くして出せとのリクエスト付きならば、話のタネに1回の訪問は可と考えます。