和食出身の雇われ店長の店とは知らなかった、天麩羅しみず

流れ職人の集合体・寿司「ありた」に続いて訪問したリッツ・カールトン東京のダイニング。
この店の調理責任者も職人としての経歴は謎。しかも出身店は天麩羅屋ではないと聞いて友里、椅子から転げ落ちそうになったのです。

京都の和食店だそうですが、伝統的な京料理の店なのか、ミシュランで星を獲得している有名店なのか、はたまた単なる観光客専門の店だったのか。
ところが高級外資系ホテルの45階という立地に気後れして評価が甘くなったのか、食べログのド素人レビュアーの評価は非常に高く、東京の天麩羅屋としてはランキング1位の4.27点(訪問時点)。
これを知って友里、早速突撃を試みたのですが、わずか6席カウンターの小さな店だからかなかなか予約が入らず、やっと訪問できたのは数週間後の8月下旬でありました。

この店のウリは食べログによると和牛の天麩羅。コース制が基本の「しみず」、友里は迷わずこの和牛が提供される最高値コース(葵 1万5000円)を頼んだのは言うまでもありません。

まずは生ビールをとメニューを見たら、80CCで500円、200CCは1100円、350CCで1400円と破格の高値付けに驚嘆。

早速出てきた前菜、南京素麺は貝柱入りの淡い味付けでまずまずながら、鰹の酒盗は生臭く、鴨ロースや穴子寿司、明太玉子もダメ出し。
修業した和食系の料理がこれですから、天麩羅への期待はもともとなかったのですが更に萎んでいったのであります。

そして肝心の天麩羅、揚げる前の責任者のパフォーマンスに愕然。
なんと、野菜だけではなく海老、キスなど魚系まですべての食材を先に準備して(海老なら殻も剥いて)客前に晒続けるのであります。

これじゃタネが揚げる前に乾いてしまうではないか

乾いてしまったからか海老は揚げすぎで身はパサパサ。キスも小さすぎて火が入りすぎ。
そして目的の牛ヒレ紫蘇巻きは1つ目がレア、2つ目はミディアムの提供でした。でも自称和牛の旨みがなく、牛らしきものを食べているとしか感じなかった。

天麩羅屋で初めての経験だった太刀魚、臭みがあって残念な結果。
トウモロコシ、白オクラ、椎茸、芋などの野菜類も揚げすぎで、砂糖や味醂を入れ過ぎの天つゆもイマイチと、最後は貧弱なかき揚げで最高値コースは終了したのであります。

最高値コースだというのに海老と共に天麩羅の華である穴子がなく確認のため追加したのですが、小さいもので臭みが抜けていなかった。

接待だったので鮑の天麩羅も追加して高いビールにシャンパンをボトルで頼んでの支払いが2名でなんと5万円半ば。
紅花1番絞りオンリーと胡麻油なしの関西風天麩羅「しみず」、友里の再訪はあり得ません。