ただの鉄板焼と寿司会席ではないか、森本XEX

フジTV「料理の鉄人」を覚えていますか。何で選ばれたのか疑問の三代目和の鉄人、森本正治氏。その鉄人を前面に「サルヴァトーレ」や「XEX」を多店舗展開するワイズテーブルがオープンしたのがこの「morimoto XEX」です。
「世界のアイアンシェフ」、「アメリカNo.1ジャパニーズキュイジーヌシェフ」とHPで勝手に表示していますが、ただの民放バラエティー番組で適当に選ばれただけの鉄人。鉄人は番組中の「肩書き」なんですけど、本人とワイズはかなり勘違いしているようです。
六本木星条旗通りに面したこの館。良く言えば洒落たNYスタイル、はっきり言えば派手な成金ダイニングです。2階がプライベートラウンジ、1階が寿司コーナー、地下が鉄板焼とかなりの大箱。寿司も鉄板も1万円から1万5000円までの3コース。アメリカ風日本料理のシェフが考えた〆に握りが5貫出る会席仕立ての寿司コースはハズれる可能性が大。よって無難に1万5000円鉄板焼に決めました。
世界に数台しかないという自慢のスライサーで切った神戸牛の刺身は薄すぎてイマイチ。オイスターフォアグラなるものは2つの食材がまとめて一口タイプで物足りません。
角アイスに並べた魚のカルパッチョも質が良くなくベチャベチャで駄目。寿司コースも同じ質でしょうから期待できません。伊勢海老ローストとグリーンサラダの後、小さな前沢牛としけた鰻が入った櫃まぶしがでてデザートで終わりました。このコースのどこに「世界のアイアンシェフ」の才能を見ることが出来るというのか。そこらの「鉄板焼き」と同じではないか。現在は牛以外に豚や鶏もチョイスできるようですが、これなら銀座の「うかい亭」の方が食材も豊富で満足します。1本数千円でワインの持込が出来るのが唯一の救い。森本氏はHPで「レストランビジネスで料理がしめる割合は3割。サービス、デザイン、音楽、客層を含めたアトモスフィアが7割」と発言しています。この発想が変わらない限り、彼の店で料理を期待することは出来ません。レストランをエンターテイメントと勘違いしている自称世界のアイアンシェフ。「森本とXEXの出会い」とありますが、日本の一般客として出会わなかった方が良かったと考えます。