3年前に訪問しまして、友里の拙い経験からですが「世界一高い客単価の寿司屋」と判断したマンハッタンのミシュラン3つ星店。マゾではないですが怖いもの見たさで今年6月にまたまた訪問してしまいました。
長引く不況の影響か、入店時刻が21時近かったからか、カウンターの先客は男性の一人客が2名だけ。しかも二人とも外人(この場合、正確には友里が外人)でありました。
日本語を話す2番手?の前に案内された友里、すぐさま「2~3年前に来られましたね」とかまされてしまった。
当然ながら「牛肉を出す世界一高い寿司屋」とか「鱧の骨切りがイマイチ」など、その評価はヨイショではなかった事を思い出しまして、動揺を抑えながら「4年前くらいではなかったかな」とごまかしたのであります。
今回もお任せコースに懲りもせずワギュー(オーストラリア産)と隣の外人が食べていた岩牡蠣を追加してしまった。
鰻の肝、コチの造り、スイートコーンのかき揚げは可もなく不可もなしでしたが、鱧素麺はパサパサで汁なし。振りかけられた夏トリュフの香りも貧弱だった。
トロとキャビアは、自称トロが剥き身みたいな部位で、量だけは多かったキャビア、おそらく北米産のものでありましょう。
追加で120ドルしたワギュー、「世界一のステーキハウス」と称されるピーター・ルーガーのTボーン2人前(80ドル前後)より高いのには唖然。焼いたというより煮たような食感でしたので、話のタネが必要ない人は頼む必要はないでしょう。
岩牡蠣(45ドル)も築地の卸値は高くて1000円台半ばでしょうからかなりの値付け。殻はデカかったけど身は薄く金額ほど傑出しておりません。
ラングスティーヌは大きいだけ、わずか3片の鱧しゃぶは切り方がヘタなのか、身が薄すぎたからか、うまく開かず普通の白身を湯で洗ったようなものでありました。
それでは握りはどうかといいますと、トロや車エビ、縞鰺、剥き身の手巻きはまずまずながら、鰻の胡瓜乗せ、シャコ、穴子白焼きなどはイマイチで、トリガイに至っては完全なダメ出し。
なぜか「マイタケ握り」が傑出していると感じたのであります。
コースの基本価格は450ドルながら、ワギューに岩牡蠣、そしてエチゴビールにグラスワイン2杯、日本酒を2合ほど頼んでの支払いが800ドルを軽く突破。
ワインをボトルで頼まず、円高のおかげもあって邦貨換算では初回訪問よりかなり安く上がりましたが、これでも銀座鮨の倍くらいか。
来年以降の再訪は難しいと考えます。