世界一客単価が高いステーキハウスと思われる「かわむら」。予約の難度も世界一だと思うのですが、このオーナーシェフの河村氏が独立前に店長をやっていたのがこの「銀座ゆたか」であります。
京都では高額ステーキハウスとして知られる「祇園ゆたか」の東京支店、最近八重洲から銀座へ移転してきました。
一度リピーターからはずれると復活(訪問)するのが至難な「かわむら」、その超人気店の河村シェフのルーツを知りたくなり知人と訪問したのは3月でありました。
分家の「かわむら」(数ヶ月先しか予約出来ない)と違って1週間前に簡単に予約が入ったのは予想通りでありました。
場所は交詢ビル近く。小さなビル(その名も細野ビル)の5階ですが、1階には豚肉の「平田牧場」の派手な看板があるなど客単価3万円以上する高額ステーキハウスとしてはイメージ崩れる環境であります。
12席ほどのL字カウンターは満席にはほど遠い。3万円前後のコースが2種ありましたが、我々は「かわむら」と比較するためアラカルトで似たような料理を注文したのであります。
牛刺し(6000円)は固かったけど味的には大差なし。サーモンマリネ(4000円)は脂が不自然に強くはっきり言って美味しくない。「かわむら」とは雲泥の差でありました。
鮑のマリネ(8000円)はまずまずか。そして本日のスープ(1500円)はこの時期でビシソワーズ。「かわむら」並の旨いコンソメを期待していただけに落胆しました。
そして100g1万5000円のフィレの登場であります。驚いたことに、フィレは炭火ではなく鉄板焼き。生のニンニクスライスの上に肉を置き、蓋をかぶせて蒸すように火入れしておりました。鉄板調理に疑問の友里、炭火焼きでないと知っていたら訪問することはなかったと後悔したのであります。
塩胡椒もしない「かわむら」と違って、こちらはニンニク風味の蒸し肉の食感。肉質含めてまったく別物でありました。
連れが頼んだサーロイン、こちらは炭火焼きですが、ベチャベチャの食感で肉の味も薄かった。添えられたベークドポテトがこの日一番美味しく感じたのであります。
脂強いガーリックライスで〆となりましたが、ビールにグラスシャンパン、そして適度な白赤ボトルワインで一人当たりの支払額が5万円弱。
「かわむら」より安く上がりいつでも予約が入る店でありますが、食後感を考えると友里の再訪はあり得ない。これを鳶が鷹を産んだと評したらまた怒られるでしょうか。