テツヤのシンガポール店は鉄板焼きだった、Waku Ghin

シドニー、いやオーストラリアに「テツヤ」ありと聞いていた友里。その支店がシンガポールに出来たと聞いて、先月出張の際に予約を入れたのであります。

What  is テツヤ?

と疑問の読者(友里も数年前まで知らなかった)に簡単に説明しますと、シドニーにある日本料理店「TETSUYA‘S」は世界のセレブも絶賛する人気店。
オーナーシェフの和久田哲也氏はオーストラリアで最も有名な日本人だと言われているようです。

地元にはこのシンガポール店が「予約が幾分取りやすくなったが、今度はパスポートが必要となった」とまで紹介されたとのことで、友里はカード会社経由でこの「Waku Ghin」に予約を入れたのであります。しかしこのお店、結構シビアなんですね。カード番号やサインを書いた予約確認書の提出が予約確定の条件でありました。

場所は屋上の船型プールで有名なホテル「マリーナ ベイ サンズ」の付随商業地域。なんとカジノスペースにありました。厳密だった予約システムやテツヤのネームバリューから店内は超満席を予想していたのですが、ダイニング調の店内は閑古鳥とまでは言いませんが結構寂しい状況が意外でありました。

個室に通された友里たち、目の前に広がる鉄板カウンターを確認して驚いたのであります。座るや否や、料理人が箱に入れた色々な使用食材を見せるプレゼンを見て、「ただの鉄板焼き屋」であることがわかったのであります。

コース1種(400S$ 3万円弱)しかなく、スタートの米酢とジンジャー風味の牡蠣は甘過ぎでがっくり。
さよりのマリネには「あまおう」が和えられております。甘すぎてマリネに合うはずがないミスマッチ。
スペシャリテという牡丹海老、ウニ、キャビアもどこにでもある代物。的鯛のコンフィはまずまずでしたが、タラバガニ、鮑、オマール、オージービーフ、和牛と続く鉄板料理は日本の有名ホテルの鉄板焼きに劣るとも勝らない質と調理のレベルと判断したのであります。

ワインの値付けも高く、単に質を問わない高級食材を使っただけの甘すぎる鉄板料理店。
シドニーの本店とは違う料理法だとのことでしたが、この料理を平然と客に出せるセンスを考えると本店の食後感も推して知るべしではないか。
日本人観光客がわざわざ訪問する必要がない、いや地元の富裕層も、こんな高いなんちゃって和食に行くくらいなら、飛行機乗ってでも日本へ行ってまともな和食を食べることをオススメします。