相変わらず不動産バブルが続いて景気が良いシンガポール。そんなシンガポールマネーを狙ったのか、日本の有名店の進出が止まりません。
景気が良いと聞いて簡単に日本から進出してくる企業も多いのですが、大抵はマーケティング調査を怠り、高い家賃にも足引っ張られて消えるパターンがほとんどと在住の方からも聞きました。
あの京都の3つ星和食「吉兆」の店主名を冠した高額和食店「kunio tokuoka」も鳴り物入りで一昨年オープンしましたが、もう1年近く休業したままであることを友里は自分の目で確認しております。そんな厳しいシンガポールにありまして友里が勝ち組と感じたのがこの「鮨かねさか」のシンガポール支店であります。
この5月にグランドオープンするパレスホテルにも進出が決まっている「かねさか」。修業先の「久兵衛」を凌駕する勢い(出店ラッシュ)でありますが、膨張しすぎて銀行管理下から身売りとなった「久兵衛」の二の舞にならないことを祈るばかりであります。
さてこの店、立地が最高。シンガポールには大型、リゾートと沢山のホテルが出来ておりますが、老舗中の老舗、最高級ホテルである「ラッフルズ」の敷地内に出店していることに友里は驚いたのであります。バックにかなりの実力者がいると読みました。
ランチでの訪問でしたが、15席ほどのカウンターは満席。ほとんどが外資系証券会社勤務みたいなスノッブさを醸し出す地元客であることから、経営が順調であると判断したのであります。
75S$からあるランチですが、我々は最高値のお任せ(250S$)を選択。
毎日築地から引いているとの触れ込みでしたが、タネ質はかなり東京のグループ店とは異なるのではないか。
ヒラメは緩く、アオヤギは色薄く見た目通りイマイチ。アン肝は味付けが甘過ぎで、蛤はなんとトマト入りの包み焼きにタレ付きでこれまた友里の嗜好にあいません。勿論ツマミの〆となったメジマグロも緩いものでありました。
握りに移ってからも挽回するものはなかった。トロ系は脂でごまかせるためかまずまずと思いましたが、コハダはしょっぱすぎる割に生臭い。海老もイマイチで、赤貝、煮ハマ、玉子などいずれも印象に残る寿司に出会えなかったのであります。
かねさかグループの一員が「もうどうにも止まらない」と笑っていた「かねさかグループ」膨張戦略。現在のところ順調に見えますが、いずれは修業先の「久兵衛」のように壁にぶち当たる可能性大と友里は考えます。
帰国直後に最近たまに行くこのグループの1店を訪問し、シンガポール店とは違うまともなツマミと握りを確認したことを最後に報告させていただきます。