知人家族の誘いでホテル建て直し後初めて訪問したのは昨秋。排骨拉麺やチキンバスケットなど旧キャピトル東急時代の定番料理は健在でしたが、我々はお買い得と勧められたプリフィクスコース(5544円~)を頼んでしまったのです。
アラカルトメニューから前菜、スープ、メイン、デザート、コーヒーを選べるので一見するとCPがよいと感じるのですが、ここぞと思う料理に追加料金が設定されていて、5544円では済まない仕組みになっているのです。
たとえばウリのローストビーフ(単体で6699円)は追加が3003円。これを頼んだだけでコース価格は8500円を超えてしまいます。仕掛けは追加料金だけではない。
前菜とは別のジャンルにベジタブルディッシュというのがあり、ラタトゥーユ(1386円)から旬野菜のココット焼(2079円)まで、前菜料理より魅力的に見える料理が4種。実はこの4種を前菜として選ぶと無造作に追加として1155円を取られてしまうのです。
前菜群が単品2000円前後で追加がないものがあるのに、ベジタブルディッシュの中から1300円のラタトゥーユを頼んで追加に1155円取られる不思議。どう考えても計算が合いません。
またワインは値付けが高いだけではなくリストにヴィンテージ記載がない。料理やワインに無頓着な政治屋やその関係者を主要客に設定している営業姿勢と読みました。
肝心の料理は野菜のココット焼きは値段を考えなければまずまず。しかしウリのローストビーフは生のホースラディッシュをその場で摺り下ろすパフォーマンスを考慮に入れても帝国ホテルのサールの方が遙かに上と判断できる食後感。ブラックアンガスビーフのグリルも、薄く柔らかいだけで期待はずれでありました。
日を変えてチャレンジした定番料理もイマイチ。排骨拉麺(2541円)はあっさりし過ぎで、ブイヤベース(5659円)も量が少なく魚介類の質が悪いからか出汁が効いておりません。トマトのファルシ(2772円)も中にタラバ蟹がほとんどなかった。
ほとんどの客が定番料理を1~2品にグラスワインを1~2杯頼んでいるだけでしたから、この節約注文がこの店の最適な利用法であると理解したのです。料理やワイン、そして支払額に拘りのない人以外は訪問不要の店であります。