浅草に高額フレンチに位置する人気店があると知ったのは今年初め。食べログの評価も高かったので興味を持ち訪問したのは4月でありました。
浅草駅からかなり離れた立地だからか、2階のホールは地元客が主体でしたが人気店の割に満席ではなかった。産休のマダムに替わる男性スタッフ、席に着いた途端に「○○さんですね」と友里の本名を口にするではありませんか。連れが予約したはずですから私は不意を突かれ驚いたのです。
どこか見覚えのある顔で「シモムラでお会いしております」と聞き、六本木の2つ星フレンチでは正体がバレていたと思い出したのです。まさか浅草の地で遭遇するとは夢にも思いませんでした。
この日頼んだのは1万円のお任せコース。フォアグラと生ハムを使ったアミューズの後の本鱒のスモーク、滅多に食べない食材でしたが悪くはなかった。添えられたホワイトアスパラにも満足。
しかし続いた赤座海老は生っぽくて好みではありませんでした。メインはこれまた滅多に食べないシャラン鴨でしたが、赤ワインソースが良かったのか好きな食材ではないのですが、それなりの食後感でありました。
アラカルトがないのが残念とふと隣客のテーブルを見てみたら、我々と全く違う料理ではありませんか。確認したところ2回目からはアラカルトも提供するとのことでしたので、店評価は再訪後まで封印したのであります。
数ヶ月後の再訪時、何を間違えたか連れは今や居酒屋専門になった還暦ライター・J.C.オカザワ。つまらない蘊蓄自慢で料理に集中することが出来なかったのが誤算でありました。
彼の知ったかで頼んだ月日貝のタルタル。可もなく不可もなし。フォアグラのショーフロアは牛乳を使った低温コンフィだそうで面白かったけど好みではなかった。鶉のパエリアも悪くはなかったけど印象に残るものではありませんでした。
前菜が3000~4000円、メインは4000円~5000円と都心としても安くない価格設定。ワインの値付けは安い(ブルゴーニュ1級畑が1万円前後)のですが、食べログの高評価と違ってそれほどの特徴を感じなかっただけに、客単価2万円前後(ワイン込み)を考えると、地元客でない限りわざわざ訪問したいと思うかどうか、微妙なフレンチであると考えます。