あの店は今・・・幸村

オープン当初から友里と色々因縁があった「幸村」。詳しくはデビュー作「シェフ、板長を斬る 悪口雑言集」(グラフ社)をお読みいただきたいのですが、斎藤佑樹選手並に持ってる友里、思わぬところでまた幸村純氏に遭遇してしまったのです。

あれは7月半ばであったでしょうか。新橋の有名京料理店「京味」のカウンターに友里が座っていたと思ってください。
遅れて入店してきた男性二人連れ、一人はどこかで見たことある人だと思っていたのですが、スポンサーらしき人が主人の西さんに向かって「大将、こちらが幸村さんです」との紹介でやっとわかりました。麻布十番の3つ星和食「幸村」の主人が平服で座っていたのです。3つ星店の主人が無星店の主人(西氏)に頭を下げる様はなかなか見られるものではありませんでした。
知らぬ仲ではないので帰り際にちょっと挨拶したのですが、帰宅して久々に再訪してみたいとの気持ちが高まり、1ヶ月後に総勢6名で幸村のカウンターに座ることになりました。3つ星店ではありますが、結構簡単に予約が入れられたのです。

まずは蒸しウニの伊勢エビジュレ掛け。私には伊勢エビをわざわざ使用する必然性を感じなかった。定番の唐墨蕎麦は驚くほどではないですが悪くはない。
スッポンのスープはマツタケ(中国産?)入りでしたが、エンペラはじめスッポンがかなり入っていて予想していたより薄味で○。造りはこの時期鱧だと思っていたのですが予想外の鰺。悪くないけど鱧が食べたかった。「今更鱧なんて」という客が多いとのことですが、今夏も食べ続けている友里、鱧に飽きることはありません。

最近の京料理屋ではよく出る鯖寿司も○でしたが、鮎の塩焼きは付け焼きで私の嗜好には合わなかった。同じく付け焼きの焼き鱧もちょっと期待はずれか。続くはこれまた定番の小鉢料理、蓴菜やバチコ、トウモロコシのかき揚げなどでお酒が進んでしまいました。

個人的には好きではない鮑のバター焼きと賀茂茄子揚げの後、〆の新生姜ご飯と穴子ご飯でお腹は一杯となりました。
6名でシャンパン1本のほかビールに冷酒を結構飲んでの支払いが一人当たり2万円台後半。オミヤのおにぎりが人数分なかったのがちょっと不満でしたが、予想より1万円ほど安く上がった3つ星和食店のまずまずのディナーでありました。