店名はイタリア語で山鴫というこの店に食べ仲間と訪問したのは10月半ばでありました。
六本木ミッドタウン沿いのバブリーなビル地下。看板はなく隠れ家的な雰囲気であります。
カウンターもありますが店内は一見リストランテ風な豪華な内装。でも肝心の客がほとんど見当たらないのです。
40人以上収容できるキャパながら、この日は我々を入れてわずか3組でありました。メニューを目にしてその客入りに悪さの理由がわかったのであります。高い、あまりに値付けが高過ぎるのです。
コースもあるようですが種類が多いアラカルトの値付けは超高額店並み。前菜は1800円?4500円で12種。4500円は鹿のタルターラです。
パスタ類も1800円からありましたが、最高値はトリュフのパスタ4800円。メインは5400円以上で、他にグリルとして赤身肉(短角牛)が100g3000円、和牛が100g3500円。火入れを考えたらそこそこのポーションが必要ですから5000円分は頼まなければならないでしょう。
まずは前菜として野菜のヴァポーレ。わずか7種の野菜が1片ずつしかありません。CP悪すぎ。リコッタチーズとバターの味付けですが、イタリアンとしてはかなりバターが強過ぎです。
なぜかあるモンサンミッシェル(フランス)のムール貝はどうってことなく、その日のオススメの1つ、ポルチーニのタリアテッレは可もなく不可もないけど量が少ない。後日食べた西麻布のトルナヴェントの方が遙かに上でありました。
肉はグリルで鹿と赤身。2名分ずつ頼みましたがやはり量が少ない。塩は強いけど質や焼きはこれまた可もなくなく不可もなしです。
高いのは料理だけではありません。ワインも高すぎです。
一番安いワイン(白・赤)でも9000円前後、たとえばシチリアのタンクレディは小売りで4000円前後ですがこの店ではなんと1万800円。店売りとしても2割は値付けが高いのではないか。白・赤とも最安値のワインを頼んでも一人当たり2万5000円と破格の支払額に驚きました。
お腹が満たされず帰宅途中でラーメン屋に惹かれそうになったのを我慢して自宅でレトルトカレーを食べてしまった友里。この空腹感と強烈な支払額のダブル攻撃を考えると再訪はあり得ません。