アラ還オヤジから奢られ大好きのOLまで覆面素人調査員を揃えた週刊文春の連載「斬り捨て御免! 食味探検隊」。毎週2店、持ち回りで居酒屋からグランメゾンまで100点満点で評価するコラムであります。
料理、サービス、雰囲気、CP、特徴の5項目を各20点として計100点満点としていまして、昔はそのアラ還隊員・古河喜八郎氏(ペンネーム)が青山の高額フレンチ「ナリサワ」を60点以下とぶった斬るほど緊張感もあり友里も楽しみにしていました。
ところが自己陶酔というかナルシストを隠そうともしない外車ディーラーの壮年氏(ペンネーメ櫻田慶郎氏)が加入してからは単なる店紹介コーナーとなって評価も80点前後ばかりと面白味に欠けるものばかり。
そんな中、6月にそのナルちゃん外車ディーラーが料理で20点満点をつけたのが、この浜松から六本木へ出てきた創作お好み焼「USHIO」であります。お好み焼きの味わいが並み居る名店・人気店のフレンチを抑えてなぜ20点満点なのか疑問に思った友里が、即訪問したのは言うまでもありません。
雑居ビルの2階、味が20点満点の店の割に当夜の客入りは7割程度。油を一切使わず、玉子に拘ったと説明する愛想の良いマダムのすすめで我々は次々と料理を制覇していったのであります。
3種のお通しは単なる居酒屋レベル。浜松産の釜揚げシラス(800円)は普通味。
「コロンブス茶卵」を使うだし巻き(780円)も甘いだけ。山芋梅肉和えもどうってことなく、牛すじ煮込み(960円)も甘過ぎ。
ここで友里は思い出したのです。浜松の地は、濃い味の店しかやっていけなかったと。
外車ディーラーもただの「大味好き」だと気づいた時は、田舎風(980円)、イタリアン(1380円)、アメリカン(1290円)の創作お好み焼を頼んでしまった後でありました。
確かに油使わずヘルシーさを狙っているのでしょうが、沢庵入りの田舎風はさておき、チーズやウインナー、トマトが入ったイタリアン、ハンバーグや生玉子が入るアメリカンと、この具と濃厚味ならヘルシーとはかけ離れているのではないか。
ナルちゃん・櫻田慶郎氏は再訪してこれら変わり種お好み焼きを絶賛していましたが、この味付けに慣れてしまったら、京料理が楽しめなくなると判断し、再訪どころか近寄ることもやめました。