オープンして何年も経っているのに、一回も足を踏み入れなかったペニンシュラホテル。そのメインダイニングとも言えるこの店へ個人的な接待で行ったのは今年の春でありました。
2階フロアの大半を占めている超大箱店。でも日曜の夜だというのに客が数割程度しか入っておらず、一見豪華に見せる室内は、それは寂しいものでありました。気合いを入れた内装の割に、レストルームは店外というのもいただけない。
着席してまずは食前酒とメニューを見て私は怒りを覚えてしまった。祝い事だったのでグラスシャンパンをオーダーしようとしたのですが、ノンヴィンのモエがなんと3000円。ボトルがしっかり買えてしまう金額ではないですか。あまりの暴利に呆れて諦め、渋々生ビールを頼んだのでした。でもその生ビールも1200円するんですね。なんでこれほどの粗利をとりたがるのか、やり過ぎであります。
酒類も高ければ料理も高い。スープは最低でも1人前が5000円前後。前菜3種の盛り合わせは、僅かなクラゲ、豚、湯葉巻きで一人分2280円。たいした味でも質でもないくせに信じられません。
しかも高いだけではなく融通も利かないのです。連れの一人が北京ダックを食べたいというので頼もうとしたら、1羽(1万6880円)からだというではありませんか。冨麗家のように1切れ対応しろとは言いませんが、福臨門でも半羽でオッケーなはず。かくして5名で何の変哲もない北京ダックを12切れも食べることになりました。
祝いの席なので魚の蒸し物をと頼んだのがアズキハタ。醤油とガーリックを使用しているようですが、MSGを使用していないといっても2万8800円はこの食後感ではいかがなものか。本場香港と比べるのは酷かもしれませんが、費用対効果はあまりに悪かった。
遊び心で頼んだ麻婆豆腐、3680円と高いだけが特徴でした。青菜の炒め(3680円)も量を考えると高い。唯一海鮮焼きそばが具もしっかりあり、2880円が安く感じてしまうといった完全に金銭感覚がマヒしてしまったディナーでありました。
悪くはないけどまったく印象に残らない料理でサービス料10%を入れての支払いが5名で14万円ほど。このCPの悪さでは、ランチ以外で訪問する客が多いとは思えない。客より閑古鳥が多かったのは当たり前です。
(注)その後金曜に再訪したとき、ホールにかなりの客がいたことを報告させていただきます。