以前から悪くない江戸前鮨屋だと思っていたのですが、食べログの評価を見て唖然。3点代半ばとそこらの凡庸店並みの評価に甘んじているではありませんか。
今春出版予定の友里オススメ本に掲載しようとプレリストに載せていただけに私は慌ててしまった。そんなにクオリティが劣化したのかと確認に訪問したのはいうまでもありません。
この店の問題点はネットでも批判されております主人が喫煙者であると言う点。私も以前、店先で紫煙を噴かしている姿を目撃したことがあります。運が良かったのか、遭遇した記憶はありませんが、店内も喫煙可ということで、この店は今時珍しい喫煙者に寛容な高額鮨屋なのであります。
この喫煙容認(主人も吸っているから仕方ないのか)が店評価に大きな影響を与え居ているのは想像するに難くありません。再確認で久々に訪問したのは昨秋でありました。幸いこの日も客に喫煙者はおらず、いつものようにツマミからスタートです。
まずは鯛とシマアジの刺身。実は前日にわざわざ神戸へ行って味のわからない一部の人が持ち上げているカリスマ漁師・村公一氏が自ら振る舞った鱸を食べてきたのですが、魚の旨みは圧倒的にこちらに軍配。タネ種が違うとはいえ、比べものなりません。続くカツオも悪くはなかった。
好きなタコの桜煮ですが、この店はホント美味しい。お酒がすすんでしまいます。ここでは初めて食べた天然鰻の白焼きも野田岩と比べようもないほどの質と出来で美味しかった。トロ、イクラ、そしてウニと続いて握りへと移ったのです。
墨烏賊にはじまり、鯛、鮪、コハダから最後は穴子に鉄火巻きとその数10ヶくらいでしょうか。いずれの握りも数ある銀座鮨と比べて平均以上。この日は特に赤貝が傑出していたと記憶しています。ビールに日本酒を飲んでの支払いが2万円前後は、下北沢という立地を考えても充分満足する食後感であったことを再確認した次第です。
店のHPにはその日のタネの産地が前もって公開されております。カウンターにも表記された紙が置いてありますから、増殖続ける鮨オタクへの対策も万全。タバコを触っている手で握られるという現実(実際タバコの影響は感じません)に抵抗がない方にはオススメな、銀座に勝るとも劣らないCP良い店と考えます。