西麻布「ダックイ」の大迫シェフが銀座進出、とオープン当初はかなりのマスコミ露出で、移転は今のところ成功している「ドナ ステラ クッチーナ オオサコ」。でも、このシェフ、そんなに名前が売れていたでしょうか。銀座へ出れば誰でも即座に有名シェフになれるようです。
深夜までの営業をウリにしていますが、この店には大きな問題点があります。20名近いキャパに対するスタッフは、シェフ一人にホール一人だけ。カウンターなしのテーブル席だけですから、かなりの制約を客が受けることになります。シェフの調理の手際が悪いんでしょう、アラカルト対応にしては前菜、パスタ、メインと種類を絞っても、料理の出は異常に遅い。これでは深夜営業にしなければ客は食べ終わらない訳です。少しでも早くこなそうと考えたのが「パスタ1種をシェア」の半強制です。スタッフは「うちはポーションが大きいのでメインまで食べるならパスタは1種をシェアして充分」と強引に説得してきます。しかし隣の席のパスタは、ほとんど普通ポーション。前菜やメインの量も普通です。要は、客が各自パスタを頼んで段取りの悪いシェフがパンクするのを防ぎたいだけ。だいたいこの陣容で20名にアラカルト対応するのが無謀。BGMが煩いからか声の大きいスタッフは、「我々は食べきれるから2種お願いする」と言っても顔色変えて抵抗してきました。ポーションではなくスタッフの態度が大きいだけでした。
ワインサービスもひどいものです。ワインリストはなく客の嗜好を聞くふりをしますが、持ってくるのは味の傾向が違うワインが白、赤共2本だけ。種類を限定し在庫本数を抑え、小ロットで回転させたい思惑が見え見えです。スタッフ2名にワインが2種のイタリアン。人件費をケチって客を待たせる、パスタのオーダーを制約する、そしてワインも自己都合で客に選ぶ楽しみを与えない。こんな一般客の事を考えないシェフが造る料理に旨いものがあるわけがなく、人気の割に創作系なだけの普通レベルでありました。おしゃべり好きな女性客が主体なので、料理が遅かろうがワインが少なかろうが関係ないのかもしれませんが、まともなイタリアンとワインを望む方は、ストレスが溜まるだけなので、行く必要はありません。