鰻とタバコの煙攻撃に耐えられない、かぶと

知る人ぞ知る天然鰻の名店と聞いて知人と訪問したのが8月半ば頃。「食べログ」でも人気ナンバー1鰻屋で期待していたのですが、人気店に美味いものなしの定説を裏付ける結果となりました。

小さなテーブル席もありますが、12席ほどのカウンターが主体。席間の狭さは半端ではなく、隣客と肩が触れるどころか体を斜めにして座らなければならないほど窮屈です。
そして何より苦痛なのが受動喫煙であります。池袋という場所柄もあるのか客の喫煙率が非常に高い。運も悪く鰻の焼き台の真ん前の席だったので、タバコと鰻の両面煙攻撃で正に燻製状態となってしまいました。
これが原因とは思いたくないが、翌週には全快に1ヶ月かかった重症の咽頭炎になってしまいましたから友里には忘れられない店となったのです。

18時前だというのに店内は満席。目の前のボードには、それでも19時、19時半と予約客の名が書かれていましたから、何回転しているのかわからないくらいの繁盛店であります。

まずは名物の鰻の焼き物を注文。蒸さない頭は骨が当たって食べにくい。鰻のヒレ、食道もついた肝、レバーと次々と変わった焼き物を食しましたが、珍しさだけが印象に残っただけ。一口蒲焼きなるものを口にして、この店のメイン、鰻の蒲焼きに疑問を持ったのです。
隣客に勧められた「肝わさ」は肝のデカさにビックリ。山葵が粉だったのはご愛敬でしょうか。

そして天然鰻の白焼きと蒲焼きの登場です。友里がこの店に興味をもった理由は天然鰻だけではありません。蒸さない直焼ということで、東京の「蒸し鰻」でない食感と旨みを期待していたのですが、結果は誠に残念。
白焼き、蒲焼きと目の前で捌いて確かに蒸さずに炭火で焼いているのですが、食感は限りなく江戸風。つまり蒸して焼いたように柔らかすぎるのです。メソに近いのか、鰻自体が太くはなく肉厚が薄いので蒸し焼きのようになってしまうのが原因でしょうか。食感だけではなく天然鰻の風味もまったく感じませんでした。

主人は「俺は鰻が嫌いだ」と公言する面白いオヤジ。珍しい濁り酒などを飲んだとはいっても支払いが2名で何と3万円台半ばに私は驚きました。
主人のパフォーマンスを考慮に入れても、この食後感と環境では友里の再訪はあり得ません。