移転してまともなフレンチになった、ガニェール

組んだ相手が飲食に関してド素人だったのが原因なのか、総支配人の能力がなかったからなのか、鳴り物入りでオープンした南青山の店はあえなく沈没。
懲りない3つ星シェフ・ガニェールが、パートナーをインターコンチネンタルホテルに変更して再オープンしてきたのがこの新生「ピエール・ガニェール」であります。

場所はANAインターコンチネンタルホテル36階。料理に自信がない店が頼る「夜景」でありますが、ホールの席間は余裕がありそのウリの夜景を楽しめるよう配置された席も多い。問題は入り口からホールまでが狭すぎてプアなところか。

ガニェール自ら前店の失敗は総支配人などマネジメント側の責任だと断罪しておりましたが、今回満を持してパリ本店から招聘した総支配人(フランス人)はそんなに素晴らしい人材なのか。配偶者が日本人なので日本語が堪能なようですが、所作を見る限り傑出したマネジメント力は感じられない。
前任者と大差ないではないか。肝心の料理ですが、アラカルトらしきものが数種ありましたが、この店ではデギュスタシオンのコースを頼むべきでしょう。

2万3000円のコース、意外なことにアミューズを除くとメインの肉料理まで5皿と多皿コースでありません。
キューブタイプのフォアグラ、添えられている桃や西瓜を別にして単独で食べると悪くはなかった。鮑と鰻の燻製はほとんど記憶のない一品でしたが、オマールはタンドリー風味のビスク味がポイントでまずまず。
内臓を抜いてしまった鮎にはがっかりでしたが、青海苔を用いた和牛のフィレは掟破りの組み合わせでたまには面白いか。3種の調理済みチーズでお腹は一杯になりました。

ワインの値付けは予想通り安くはない。ノンヴィンシャンパーニュが最低でも1万3600円。最近話題の大阪フレンチは6000円前後で用意しているくらいですから、ホテルといっても1万円前後で用意するべきでしょう。スティルワインの種類も多くはなく、敢えて選ぶとしたらブルゴーニュよりボルドーに狙い目のものがあるでしょう。

料理だけで3万円近くしてしまう高額レストランですが、前店が悪すぎたからか料理も食後感もよく感じてしまうのが、この店のラッキーなところでありました。