「食べログ」では全国一の高得点を得ている、17:30と19:30の夜2回、一斉スタートを強要するカウンター天麩羅店。東京の名店をも上回る天麩羅が宮崎台に存在するのか、しかも8000円で。
結果はわかっていましたが行ってみなければシビアな評価は出来ません。4月下旬の1回転目、刺身付きのコース(8800円)に友里はチャレンジしました。
L字型カウンターに予約客が10人揃ってまずは800円相当の刺身が登場します。
鮪3片、カンパチ3片、鰈が2片。量的には少なくないが質は街場の小料理屋か居酒屋レベルと大差なし。主人は「刺身は赤字で出している」と吹きまくっているようですが、これで赤字なら世に小料理屋や居酒屋は存在しなくなります。
肝心の天麩羅も可もなく不可もなし。百合根やアスパラ、蓮根、筍、蕗の薹など野菜類はポーション小さく質は凡庸。海老の質も普通で身薄なキスは頼りなく、メゴチも旨みなし。天然の鮎も蒸し物みたいな食感でありました。
凡庸な質のタネを普通の技術で揚げただけの天麩羅ではないか。どこに最高得点の片鱗があるのか、友里にはまったく理解できなかった。
周りを見渡すと、客は地元の年配客ばかり。態度のでかい浅利慶太氏ご一行も居ましたが、純粋な地元客だけしか通用しない天麩羅と判断。
宮崎台にあっては希有な天麩羅店かもしれませんが、そのまま都心に引っ張ってきたら、街場天麩羅店との違いがない、立地の妙で下駄履きされた「過大評価店」であります。
実力にあわない煽てが主人を木に登らせたのか、勘違い発言も目立ちました。都心の有名店ではその時期沢山あった江戸前穴子、この日の「美かさ」で欠品でしたが、主人の常連への言い訳に友里は怒りを覚えたのです。
「ここ1週間、穴子は2回しか入らなかった。寿司屋に穴子ありましたか。」
純粋な地元年配客なら、「寿司屋も穴子不足になるほど不漁なんだ」と思い込んでしまうではないか。
店の都合で仕入れないだけの江戸前穴子、都心の鮨屋や天麩羅店、いや築地の仲卸には充分な数が揃っていたと直ぐさま確認し、この主人の性格に大きな疑問を持ったのです。
「性格の悪い料理人の店にうまいものなし」、地元以外の人がわざわざ訪問する店ではありません 。