ワイキキにしてはまともなシチリア料理、Taormina

先週のコラムで「ハワイではステーキしか食べる物がない」と書きましたが、本日はワイキキのしかも中心であるロイヤルショッピングセンター付近のシチリア料理店がお題であります。
付近の有名ホテルには、フレンチと称する高額店がいくつかありますが、私に言わせるとハワイアンテイストのフレンチもどき。イタリアンは「もどき」ではないですが、全網羅と言いましょうか、よく言えば無難、はっきり言うと郷土色がない店ばかり。ところが読者から教えてもらったこのシチリアン、かなり本格的であったのです。

店構えからしてハワイアンではありません。最近パリで流行の「ネオビストロ」のようなモダンな雰囲気。オシャレな店内ホールと店外テラスの2ゾーンで、日本人客はいませんでしたが、内外ともほぼ満席でありました。
まずは8種の中から4種を選べる前菜盛り合わせ(18ドル)。シチリアを意識して鱈のカルピオーネ(酢油漬け)、カポナータ、イイダコのジェノベーゼ、烏賊と蛸のマリネを選択。前菜からディープな調理で驚いたのです。アメリカの観光地としてはかなり本格的でありました。鰯のベッカフィーコ(16ドル)は詰め物をしたパン粉焼きではなく、大きな鰯を丸ごと調理しているのにビックリ。やや大味でしたが添えられたトマトを煮詰めたソースが良かった。

パスタはまずアマトリチャーナ(22ドル)。パンチェッタと生ハムも充分でまずまず満足。鰯のブカッティーニ(20ドル)もちょっと固すぎの感がありましたが、味わいには満足。この日唯一のダメ出しは、ホタテのクリームリゾット(20ドル)でした。米がベチャベチャでしかもオレンジ風味で甘過ぎ。連れも食べきるのに一苦労のようでした。物足りなかったので最後に頼んだのはやはり牛ビステッカ(52ドル)。意外にポーションは大きくなかったですが、まずまず満足して店を後にしたのです。

ドンペリが249ドル、フランチャコルタも99ドルと泡物が高いのには驚きましたが、スティルワインの値付けはまずまず。イタリアワインもシチリア以外(100ドル以内も結構あった)も揃っていて選択肢もあります。ハワイ滞在で牛肉疲れした方やイタリアン好きにはオススメのシチリアンであります。