セーター姿の客もいたガラディナー、ひらまつ

ネット検索で「ひらまつ」のガラディナーの開催を知ったのは2月のはじめ。シャトーマルゴーのワインと旬の黒トリュフ尽くし料理の参加費が破格の7万円。2週間前と開催日が迫っていたのでダメ元で電話してあっさり予約が入ったのには驚きました。1週間前に今年は未だフレッシュ黒トリュフを食べていなと気づき、比較する為に慌てて六本木の「オー・シザーブル」で尽くしコース(2万9000円)を食べて満を持しての突入でした。

ガラディナーということでドレスコードを確認してスーツ&タイの出で立ちで望んだ友里、ホール隅のテーブルにセーター姿のカップルを見つけてズッコケました。コードなんかないではないか。でもこの二人を除いて客層は年配カップルが多く、ひらまつグループのプレステージクラブの会員が主体だと推測します。

ハイテンションな平松社長が音頭をとってクリュッグ(グランキュヴェ)で乾杯。傍に寄り添うシャネルスーツのマダムを見て、私はひらまつグループの好調を確認したのです。こんなことなら2年前にひらまつ株を売らなければ良かった。儲かっているからかクリュッグは何杯もおかわりが出来て私は満足。しかしその後のパヴィヨンブラン、ルージュ(1級格付けのマルゴーではない白と赤)はわずか1杯だけ。目玉の89年と85年の1級マルゴーもかろうじて1回おかわりが出来る程度で酒飲みの私は不完全燃焼に終わったのです。

平松氏やメートルがふんだんに使用と言っていた黒トリュフ料理はどうだったかというとこれも肩透かしでありました。スライスでの「ふんだん」な使用ではなく、ほとんどが千切りでカサを稼いでいるだけ。フォアグラ、オマール、仔羊と食材や調理(塩を強めにしている)は悪くなかったが、肝心の黒トリュフが量少なく素材負け。「オー・シザーブル」の方が黒トリュフを堪能できたのです。

20年以上前のマルゴーは高騰しているので、トータルで考えると7万円は高くはないかもしれませんが、来日したマルゴー醸造責任者の方針なのか提供温度が自分には低く感じ、パニエサービスしなかったので澱が舞ってしまう危険もあった黒トリュフ千切り尽くし料理とシャトー・マルゴーのコラボガラディナー。不満ではなかったけど満足にもほど遠かった豪華な晩餐でありました。