昨年秋、西麻布の「ビストロ ド ラ シテ」のランチを久々に食べて気になったことがありました。メニューが少なくなり味も緩くなったのではないか。好きなブーダンノワールやシュークルートを食べての食後感に、PCで検索して初夏にシェフが交替したのを知ったのです。その辞めた古屋元シェフが白金に出したビストロこのが「ルカンケ」であります。
プラチナ通りから路地を入った3階建ての一軒家。1階はオープンキッチンとテーブル2卓、2階は4卓、そして3階は個室なのですが使い勝手が良くない。この時代にバリアフリーに真っ向逆らっていて階段を上がらないと店へ入れないし、床面積が小さいからかトイレが1階にない。2階で食べていて、1階の客が階段を上がってトイレに入る様を見るのは興ざめでありました。
しかし料理は値付け、味とも悪くありません。7500円のお任せコースもありますがアラカルト中心で前菜は1000円台前半、メインは2000円前後が中心です。牛料理や山鳩などジビエは3500円前後でありましたが、所属していた「ドラシテ」より安い値付け。しかもこちらは夜でもタプナードとリエットがタダで提供されます。2回の訪問で出した友里の結論は、「箱に目を瞑ってでもリピートしたいビストロ」でありました。
牡蠣カリフラワームースとコンソメジュレ(1ヶ500円)は良く見るものでまずまず。ブーダンノワール(1400円)はパートブリックを巻いて揚げてあり濃厚で美味しい。ストウブの鍋で出てくるシュークルート(2000円)にはソーセージ、バラ肉などのエキスも濃厚。連れはブフテック(3400円)やテールの赤ワイン煮(3400)も美味しいと完食しておりまして、他の料理が気になって時をおかず再訪したのは言うまでもありません。
エスカルゴ(6ヶで1400円)は価格なりでしたが、初めて飲んだ蝦夷鹿のコンソメ、濃厚で美味しかった。フォアグラやミンチ、腿肉をサンドしてパートフィローを巻いて揚げた山鳩、ボリュームもありビストロとしては高いけど面白かった。
1万円以下のワインが充実しておらず箱と共に問題点はありますが、好きなビストロで再訪したい店が増えたのは友里にとっても嬉しいことであります。