あの店は今・・・、ラ・ソース・古賀

久々にランチ時に訪れたのは今年の5月下旬。客が少ないのは相変わらずでしたが、店内の雰囲気が変わっておりました。そしてカレーのトッピングも仔羊がなくなり3種だけに。メニュー削減は、不振による閉店間際の足掻きかと思ったのですが、実はオープンして1年経たずに大きな賭けにでたようです。まずスタッフとして古賀シェフの妹さんを投入、店内が明るくなりました。彼女によると、5月半ばにカウンターを短くしテーブル席を2列に増卓。銀座の夜にカレーだけでは無理なことにようやく気づいたのか、ビストロ料理中心の店にリニューアルしました。飲食店がコンセプトを変えるのは大変勇気がいることです。当初の失敗を認めることになるからですが、ビストロ料理が書かれた黒板を見て友里は夜に初めて訪問したのです。
いくらか客は増えたようで、かなり席が埋まっております。カレーの厨房設備からの転換には限界があるのか、サラダの盛り付け、ポトフの最終仕上げ、生ハムのカットと盛り付けはカウンターのサービス責任者が自らやっておりました。よってツマミも含めて皿出しはかなり遅い。ビストロで簡単な料理がすぐ出てこないのはストレスが溜まります。また、「イベリコ ベジョータ」が千円からとその安さに驚きましたが、よく見ると置いてある生ハムはどう見ても「前足」。「ハモン イベリコ」は「後ろ足」限定ですからこれは「ハモン」ではありません。安いはずです。シーザーサラダ(600円)は値段なりに小ポーションで小売用のパルミジャーノを目の前で振りかけていました。興ざめ。小鯵のエスカベッシュ(揚げ浸し750円)、ブイヨンで煮込んだトロトロほほ肉(1800円)はまずまずながら、ラッキョウ付の酵素豚リエットはツメが甘く鴨コンフィ(1600円)もボロボロ過ぎてポーション小さいと、代表的なビストロ料理が弱く量が少ないのにはがっかり。仔羊のグリエ香草ソース(1700円)も変なソースよりジュで仕上げるべき。クスクス、ブーダン、シュークルート、パテ、牛ロースなどの代表的なビストロ料理もなく、メインも仔羊、ほほ肉、鴨だけでは寂しい。カレーやブイヤベースを残すより、メニューを増やすべきでしょう。これでは、2回目のコンセプト変更も近いかもしれません。