以前から「過大評価店」の典型例と友里が主張してきた大阪の人気店「本湖月」。今回の再訪で主人の性格の悪さも半端でないことも再確認しました。
予約時にコースは1万5000円、2万円、2万5000円の3種と言われ、私は後で文句を言われないように最高値を選択。ところが、訪問した祝日でも満席のカウンター客全員が、私と全く同じに見える料理を食べていたのにちょっと引っかかったのです。後の友里掲示板の書き込みで、どのコースを頼んでも内容はほとんど一緒、2万5000円コースは観光客専門の価格、とあって私は納得しました。なんだ、「3コース偽装」の店ではないか。そして主人の性格の悪さを示すダメ押しの場面に遭遇したのです。主人は隣の常連カップル客に「平日は接待が多く味がわからない客が多いので、祝日はやりがいがある」と言うではありませんか。平日の接待客をたぶらかして儲けている店の主人が「それを言っちゃ?、おしめいよ」。
山芋豆腐、ウニ、タイラガイの先付けは味付けが濃すぎて食材の旨みを消し飛ばしています。高額和食で毛蟹が出てきたのにも驚きました。お椀はこの時期旬の鱧ではなくアコウでがっくり。造りはバットから取り出した造り置きの「鱧の焼き霜」です。既に骨切りしているどころか、炙り置きでカウンターではサクから切り分けるだけでありました。しかもクラッシュアイスに直置きし、ご丁寧に鱧の上にもカキ氷がかけられてベチャベチャ。あまりにひどい食感です。産地を言わない鮎は奥で串打ちされてカウンター内で焼かれます。7月下旬にしては骨抜きしないで食べられる小さな鮎に魅力を感じる人がいるのかどうか。主人が「日本一贅沢」と言っていたトウモロコシのかき揚げ。バチコの細切れを衣にまぶしているのでそう表したようですが、居酒屋であるまいし客単価3万円の店で「トウモロコシのかき揚げ」はないでしょう。トマトのすり流しに入れられたジュンサイとソーメンも、ガスパッチョもどきで大衆受けの味ですが、これも高額和食で出す料理なのか。出汁たっぷりの濃い味な炊き合わせの後、〆は土鍋の白飯でありました。1万5000円でも割高に感じるこのコースが、2万5000円とはあまりに暴利。性格の悪い料理人の店へ行ってはいけないという典型例であります。