この店も軽井沢の名に隠れた過大評価、ノーワンズ・レシピ

夏の軽井沢、ここ数年口コミサイトを信じて「エルミタージュ・タムラ」、「プリマヴェーラ」と過大評価店を訪問して肩すかしを食った友里。今年も懲りずに「食べログ」ランキング上位店を訪問してしまいました。リゾート再生で有名な「星野リゾート」が展開するホテル・ブレストンコートのメインダイニング。一応フレンチの範疇です。
宿泊客なのでしょうか、ベビーカーも持ち込み可。勿論乳児も入店オッケーです。宿泊する家族連れは入り口に近い隔離したスペースに押し込まれるようで、カップルや大人は窓際の落ち着いたホールに通されます。
料理は単品がなくコース2種のみと選択肢なし。リゾート地のフレンチに多くを求めるのは酷なのでしょうか。8400円と1万2600円の違いは前菜とデザートの皿数でした。
アミューズ4種はスプーンに乗った一口料理。ビーツのジュレやフォアグラなど、今更感のある演出でポーション小さすぎて味もわからず仕舞い。信濃雪鱒と信州サーモンのタルタルも鱒やサーモンの地域の特徴を感じず凡庸。ゴールデンキャビア(鱒の卵)もどうってことなし。フォアグラのポワレも普通で、鱒のコンフィのリゾットはなんと玄米を使用しておりました。まったく美味しくない。トウモロコシのフランはただ甘いだけで、ズッキーニに包まれたオナガダイのヴァプールは皿どころか肝心の料理も温くこりゃ駄目だ。トマトのシャーベットを挟んで〆のメインは「みゆきポーク」のロースト。「エルブジ」ばりのパフォーマンスかスポイトに入った唐辛子のオイルをかけさせます。皿は熱かったがポーク自体は冷めていて、しかし火が入りすぎてジューシーさがないと三重苦。連れが頼んだ薫香をかけた信州和牛のポワレも、不自然に薫香が強すぎ不自然に柔らかすぎで、これまた満足できるものではなかった。
ワインの値付けはそう高くないものの、ボルドー1級などこの地、この料理に合うとは思えない高級品が目立ち選択肢がありません。仕方なく2万円弱の2級ボルドーを頼んでの支払いが2名で5万円を突破してしまいました。
カトラリーを最初から全部並べる宴会スタイルのリゾートフレンチ。来年の軽井沢はまた他の店を探さなければならないようです。