大阪のフレンチを見直した、エッソンス・エ・グー

関西の食べ仲間に連れて行かれた高槻のフレンチ。価格を考えるとビストロと言った方が良いでしょう。友里が知らない店でありましたが、シェフは恵比寿の「タイユバン・ロブション」の立ち上げ時に応援に行っていたと聞きましたから、その筋では有名だったようです。駅から徒歩で10分以上かかりますが、10卓ほどの店内は週はじめの夜だというのにほぼ満席でありました。
料理はメインが選択制のコースのみで6000円です。仔羊、鴨、和牛腿(赤ワイン煮)、白金豚、和牛ロース(+800円)など選択肢もあり何しろ追加料金が安くて良心的であります。
最初のアミューズを見てビックリ。稚鮎、こごみ、蕗の薹、葱坊主のフリットは前菜と言って通用する量でして、これだけでもお腹一杯になりそう。
サラダ仕立ての前菜は、ノレソレ、鮪のタルタル、ホタルイカなどが、でかい皿にてんこ盛り状態。質はそれなりですが、下処理もしっかりしており充分満足。マスタード風味は正にビストロと感じました。
箸休め的なキャベツのスープは、フォアグラとタケノコが入っていてビックリ。メインの肉に行く前に魚(食材は失念)のポワレも出てきます。これで6000円ですよ、信じられません。まずまず満足してメイン(仔羊)の登場です。野菜もたっぷり添えられ塩もしっかり利いており、これまた悪くはありません。高田馬場の「ラミティエ」ほどではないとしても、ここまでのCP良い料理を提供する店は滅多にないでしょう。
ワインの値付けも安い。ノンヴィンのシャンパーニュが6200円からラインナップ。勿論スティルも白、赤ともに非常に良心的でありました。今回は料理が安いことからレアな2万円前後のワインをいくつも頼んでしまいましたが、それでも5名での支払いが8万円台半ば。一人1万7000円は、この量、この調理、このワインを考えると安すぎるかも。
シェフはワインに拘っているようで、ワインサービスの度にホールに出てくるからか、皿出しが遅いのが唯一の問題点。近くなら何度でも通いたいですが、大阪駅近辺に宿泊する場合は帰りが大変です。友里的には1つ星に値する店だと考えますが、年末発売のミシュランではおそらく掲載されないでしょう。