この店もただの過大評価か、喜寿司

口コミグルメサイトや寿司好きブロガーが高評価している人形町の老舗寿司屋。店構えがいかにも江戸前といった雰囲気で期待していたのですが、昼夜数回訪問しての結論は、「高いだけの寿司屋」でありました。
100年に一度の不況と言いながら、店内は盛況です。地元客、常連客が多いのが特徴でしょうか。主人とそっくりの息子さん、そして雇われ職人の3人が付け場で対応しています。
ツマミは原則寿司タネが主体。あまり趣向を凝らしたものはありません。刺身の盛り合わせを食してこの店のタネ質レベルが直ぐわかりました。悪くはないけど銀座の高額人気店に並ぶものではありません。その日のオススメと言われたカジキマ
グロ、江戸前を名乗る高額鮨屋で食べた経験がありませんが、わざわざ食べるタネではなかった。赤貝、鯛、昆布〆の甘鯛も当然並レベル。炙られた穴子、タイラガイの磯辺巻きなどあまり好きではないツマミが出たこともありますが、全然印象に残らないのです。
握りは期待出来るのかと言いますとそれも難しい。生姜は辛すぎて好みに合わず、ジャーに入れている酢飯もまったく特徴がないのです。タネ質が普通で酢飯も仕事も普通、だいたい本日のオススメのカジキマグロを握りにも出すのはいかがなものか。オススメとは「余りすぎ」という意味なのかと勘ぐってしまいます。
この店では他店にない握りが評判です。烏賊の印籠詰めなんですが、単に烏賊の中に酢飯(握りのものとは違います)を入れているだけで、何の旨みも感じません。鮪は赤身、中トロともたいしたことなく、白身の鯛やヒラメ、〆もののコハダもまったく印象に残らなかった。茹で海老も冷たくて旨みなし。〆の干瓢巻きだけはまずまずでありました。
前回の訪問で唯一美味いと思ったアン肝がこの日売り切れだったこともあり、2万数千円の支払いはあまりに食後感が悪すぎです。この店をそのまま銀座へ持ってきて客が入るかどうか。とても通用するとは思えません。
前回の訪問(昨年末)では、ツマミにコッペ(ズワイの雌)がでて太巻きのオミヤを頼んだからか一人で簡単に3万円を突破。普通のタネに普通の酢飯と仕事、その割に高すぎる支払額。店構えと立地の妙で生き残るただの高額寿司屋と考えます。