台湾系の会社がなぜ「モンゴル鍋」を出すのかわかりませんが、集客が順調なのか店舗数が激増している薬膳火鍋チェーンであります。
私が最初にその存在を知ったのが銀座店。銀座ベルビア館がオープンした時、下調べの為に7階へ上がってフロア全体に広がる何とも言えない癖ある匂いに驚いたのです。匂いの発信元は「天香回味 銀座店」の薬膳鍋のスープでありました。何だこりゃ、ラーメン屋やモツ料理だけではなく、和食や蕎麦もこのフロアにありますから、他店にはえらい迷惑でありましょう。蕎麦の香りなんて吹っ飛んでしまいます。
怖いもの見たさでまずはランチで「薬膳火鍋」にチャレンジ。数多くのエキスが入った白と赤の2種のスープに、豚肉、キノコ、野菜を入れてつけタレなしで食べるのですが、化学調味料を添加せず天然素材だけで長時間煮込んだスープにニンニクが溶け込んで、香り以上に味わいが独特なのです。ランチの割に多めの具もあっという間に食べきりました。その後も数ヶ月に1度の割合で通っていたのですが、元々少なかった客がますます減り続ける他店に比べ、この店はどんどん客が増えてくるではありませんか。先日など満席で入店を断られたくらいです。癖になるこの火鍋、ぜひ夜のコースを試したいと考えて8名で予約したのが今春でありました。1週間以上余裕があったのに銀座店は8名では無理ということで、大箱な「銀座中央通り店」へ予約先を変更しました。
あのH&Mが入っている「G-Cube Building」の9階なのですが、中央通りから入店できず裏の入り口に回らなければなりません。面倒くさい。中央通りから直接入れないなら「中央通り店」を変名しろと私は言いたい。店内はシャンデリアを吊るなど一見豪華に見えますが実は普請は安そう。でも超満席でありました。
頼んだコースは、ラムチョップ、アワビスライス、フカヒレ、馬のコラーゲン、サメのコラーゲンなどてんこ盛りの8000円コース。すべてを鍋にぶち込んで食べるのですが、キノコ類の多さと総量は半端ではありません。
豚肉もたっぷりありましたが、ヘルシー食材を満腹になるまで堪能しての支払いが1万円突破は安くはないですが、この原稿を書いているとまた再訪したくなるほど癖になる鍋料理であります。