オープン当初は「鮨屋の修業歴ゼロ」をウリに雑誌にかなり露出しておりました。高麗橋の「吉兆」で修業をしたようですが、鮨屋の経験がなくても鮨屋が出来るのか。当初私はこの疑問を「和食の経験だけで鮨屋が出来るなら、鮨の修業はたいしたことがないではないか」と問題提起しました。経験ゼロを「うたい文句」に集客をはかる宣伝はいかがなものか。鮨店修業者はなぜに怒らないのか不思議であります。
オープン当初、若い衆や小僧さんではなく、今は女将になっている女性がつけ場で酢飯や〆の仕事をしていたのには唖然。ただのスタッフが、「江戸前仕事」をしていたのですから、その驚きは半端でありません。鮨屋の修業がないからか、職人以外にも重要な仕事を与える進取の精神に脱帽です。
その後の訪問は散々でした。彼らは私たちの会話から友里征耶だと見破ったようで、連れの風貌やここでしか話していない内容、若い衆が友里を隠し撮りしたという話が、2ちゃんの友里スレにすぐアップされたのです。個人情報漏洩に寛容すぎる店であります。
昨夏久々に再訪してツマミや鮨の変化に驚きました。女将は見当たらず、再び若い衆を2名入れており、変化がないのは独特の「客層」だけ。
有名和食店出身としてツマミの豊富さが評判でしたが、まったくの期待はずれ。煮蛸、蒸し鮑、赤ムツ、バチコ、赤西貝しか出ません。あっという間に握りへ移行してしまいました。これならば、同じ1つ☆でも「青空」や「さいとう」(2つ星に昇格)の方がはるかに充実していて満足します。和食出身の意味がありません。ツマミが少なくても、肝心の握りが良ければ文句は言いませんがこれもかなりひどくなっております。これほど酢飯が無意味にしょっぱかったか。塩の加減を間違えているとしか思えません。せっかくの赤酢の風味もまったく感じなかった。やけに柔らかい中トロ、シンコも塩強すぎ、そして干瓢も塩辛いだけ。マコガレイ、カスゴ、赤身、穴子、車エビ、赤ウニ、いくら丼、アジなど握りは11ヶほどにツマミが5種、ビールにぬる燗での支払いは2万円チョイ。六本木という立地では、高くはないですが、CP含めて食後感はかなり悪いものでありました。業界人以外の方にはオススメできない鮨屋と考えます。