冬の博多で「フグ」は外せません。博多で連泊することになった友里は、フグ屋を検索したのですが、意外に有名店や人気店を確認できません。そこで数年前に訪問していた「い津み」の再訪を決めたのです。HPで特選天然フグコース(3万1500円)の存在を知り、事前予約したのは言うまでもありません。
時はこの1月下旬。未曾有の世界同時不況はこの博多も例外ではないようでタクシーの運転手も嘆いていた不景気、果たして高額フグ専門店への影響もかなりのものでありました。その夜の客は我々を入れてホールはわずか2組だったのです。
大きな集合住宅の1階と2階部分を使用している個室もある大箱な料亭スタイル。小さくないホールにわずか4名でしたからそれは寂しいものでありました。
普通の天然とどう違うのか楽しみにしていた「特選」でありましたが、その日は入荷がないとのことで普通の天然フグコース(2万6750円)に変更です。
まずは煮凍り2片でスタート。淡い色ながら深みのある味わい。天然フグ刺しは厚めの2枚引きで量も充分。かすかに見える血管の色(ピンク色)から確かに天然であることを確認。先日甲子園口の有名店「丸安」の8キロ級を食べた直後であり、最高レベルとは思えないまでもまずは美味しい刺身でありました。
追加で頼んだ白子焼きは4200円とポーション小さいですが値付けは良心的でこれまた悪くありません。
唐揚げに変なフグを使用する東京の廉価な天然フグ?の人気店もありますが、この店はまともな唐揚げでありました。
ただしちり鍋に移る時に私は若主人らしき人の確認に驚いたのです。「鍋は厨房でやりましょうか。」おいおいあの臭みを取るため白味噌出汁にしている過大評価高額店「山祢」と同じスタイルに改悪したのか。入れる具を客に見せず総量を抑えるセコイ手法と考えテーブルでの調理に変更してもらったのです。卓上のちり鍋は「山祢」と違って量も充分なもので、生米からつくる雑炊にもまずまず満足しました。
高額店とは言え博多を代表する有名フグ店でのこの寂しいホール、地方の不景気も深刻です。総理ごっこを楽しんでいる麻生自民党に任せられないと思うのは友里だけではないでしょう。