博多の鮨のレベルに驚いた、安吉

冬の博多と言えばまず思いつくのがフグ。そして次はクエでしょうか。どちらも高級魚として人気の食材であります。ところが昨年末、久しぶりに博多に宿泊する機会をもった友里は「食べログ」を検索して博多や小倉に高評価な鮨屋が多いのに気がついたのです。他県からわざわざ訪問する鮨屋がこの地にあるのか。博多の鮨とは海鮮系なのか仕事系なのか、興味を持った私は評価の高かったこの「鮨 安吉」を選びました。
一軒家風のカウンターわずか7席の小さな鮨屋。主人が想像以上に若いのにまず驚きです。
お任せで供されるツマミと握りは記録にあるだけで25種前後。ポーションは一口タイプですが、どれも一手間かけた「仕事系」であります。
鱈の白子蒸しで無難なスタートの後に出てきたのが鰤のヅケ。和芥子を添えて味噌漬けのような味わいでしたがお酒がすすむ一品です。トラフグの昆布〆は疑問でしたが食べてみたらなかなか美味い。〆鯖はちょっと燻しが強すぎましたが、つづく鯖の押し寿司は旨みが強いけど○。カワハギ(肝ソース添え)、赤ムツのタレ焼きと普段の江戸前鮨屋では出ないタネもポーションは小さいですが悪くはありません。アンキモ、生カラスミとこれまた旨みの強いツマミが続くせいか握りに到達する前にぬる燗のペースも上がっておりました。普段は食べないタイラガイなど貝系もいれてツマミは12種出たでしょうか、その後ようやく握りの登場となります。
スミイカ、コハダ(強めの〆)、鱒の松前漬け、赤身のヅケ、小イワシと旨みの強いタネは米酢の酢飯でありました。ツマミと同じく濃いめの味ではありますが、充分許容範囲であります。
そしてその後は赤酢の酢飯に変わります。中トロ、茹で海老、赤貝、牡蠣といずれも美味しい。煮ハマがツメでなく塩、穴子のツメがやや甘すぎると好みでない握りもありましたが、ほとんどのツマミと握りに満足。
日本酒も「正一合」あるようで飲み応えがありました。玉子と生の赤身を確認できませんでしたが、ビールが2杯とぬる燗4本での支払いが2万円弱は充分もとが取れた博多の夜でありました。
勿論年明けに博多を訪れた際再訪しまして、初回ほどではありませんでしたが、満足したことを報告させていただきます。