ビル建て替えで他の飲食店が次々と閉店する中、最後まで頑張ったのがステーキでは客単価日本一と言われる「あら皮」です。炉窯や換気設備の問題からかなかなか場所が見つからず、昨年末まで粘ってやっと今年はじめに御成門近くに移転すると聞き、年末に仲間2名と最後の訪問を決行したのです。
2008年としては2回目の訪問。拙著「ガチミシュラン」の取材で訪れた前回の支払いが、安いワインに抑えても一人当たり9万円弱。リーマンショックの前でも懐への打撃は相当なものがあり再訪はもうないと誓った友里。未曾有の経済危機の中で、「移転直前に行ってみよう」と知人の提案にすぐ乗ったのがいけなかった。更に9万円強の支払いで倹約の正月を迎えることとなりました。
当日はいかにもといった同伴グループ客の他は我々をいれてホールは疎ら。やはり接待客に特化した営業方針では、100年に一度の不況は厳しいものがあるようです。
前回はコース(5万円)に追加を頼んだのが高額支払いにつながったと分析、今回は単品注文に徹しました。まずはグラスシャンパンで乾杯をと思ったら、グラス対応はしていないとのこと。フルボトル並みの値付けに驚きながらもハーフ(9000円)をオーダーした次第です。ツマミとして頼んだ燻製鴨は2500円と思ったより安めでまずまず。オススメの寒ブリ備長炭焼き(1万円)は3名でシェアできて旨い。サラダ(800円)を頼んでここで普通のロースを頼んでいれば良かったのですが、年末恒例のチャンピオン牛があると言われて飛びついたのがいけなかった。明細では3名で13万5000円、一人当たり4万5000円のロース、それは美味しいものでしたがこんな時期に食べていいのでしょうか。3名だと強気になって2万円の白ワインと4万円弱の赤ワイン(これでも安めのワインを選択)を頼んでの支払いが総計で27万円超になったのです。単品で節約したつもりが前回を上回る客単価に唖然。明細を見ると、パン・バターに300円、ステーキに添えられた温野菜に500円の請求が明記されていました。客単価が5万円以上の超高額店にしてはあまりに細かすぎないか。この店は経費でなければ訪問できないことを再確認したクリスマスシーズンの夜でした。