四川は薬膳料理の本場って本当なの? 趙楊

あれは昨秋でありましたか。バーニーズへ買い物に行った際、トイレのため4階のレストランフロアへ上がった友里、エレベータ前に位置する四川料理店「趙楊」の閉店をはじめて知ったのであります。

失念しましたが都心ではないところでオープンして銀座近く(地番は新橋)へ移転。
そしてこの交詢ビルへと移転を繰り返す毎に料理価格は上がり、それに反比例するかのように客数が減っていった趙楊。出直しの意味なのかまた新橋に戻ってきての再オープンであります。

この店の特徴は、こんな状態でも根強いファンがついているということ。
食べログでは4.26と高得点を維持しているんですね。
わずか8人のレビューしかついていないのですが、その半分がほぼ5点満点を献上。その他も4.5前後の高得点と、性格の悪い友里に言わせるとレビュアーは「サクラ」ばかりじゃないのか?
しかも皆、かなり高いコースを頼んでいるんです。

そこで友里、最高値と思われる薬膳コース(3万円ほど)を予約しての作年末突入でありました。電話問合せの際、スタッフの「薬膳料理の本場は四川です」の言葉を信じたのであります。

普請が高くは見えない新ビルの7階でエレベーターを降りると、細い廊下奥の半個室のような閉鎖空間に案内されて、その3万円コースはスタートしました。

まずは8種の一口前菜盛り。食材の説明は受けたのですが、味が普通だったので記憶に残らなかった。

続くは天然車エビの老酒漬け。
良くある調理でこれまた普通。ここですぐさま疑問が出てきたんですね。「おいおい、これが薬膳というものなのか」。

そして脂抜きのフォアグラ、スッポン、衣笠茸の朝鮮人参スープの登場です。でもスッポンは臭く出汁は濃くてイマイチ。

しかしその後に出た、蕪(冬虫夏草、天麻などを入れた煮物?)で薬膳チックになってきてなんとか挽回。お味もマズマズでありました。

鹿肉とツバメの巣は四川らしく辛さがあってマル。
フカヒレ姿煮(鹿の角を出汁にしているとか)もその味の濃さが一般ウケしそうでまずまず。

鹿のアキレス腱、鮫の頭骨、アガリクスの煮込みも体に良さそうでしたが、似たような煮込み調理の連続にちょっと食傷気味となったのであります。

〆は薬膳ソバ。
うやうやしく説明された真珠の粉は、ガン細胞を減らし白血球を増やすと言われましたが、そのまま信じてよいのか。白血球って増えすぎても良くないのではないか。

前菜を除いて、多くの皿の味のトーンが同じ(煮込みという調理法も同じ)でメリハリがない自称薬膳の本場という四川料理の店「趙楊」。

食材が高いだけのような気もしますが、CPを気にしない人には話のタネに1回の訪問は良いかもしれません。