昨年末に発表されたミシュランガイド東京2015。
「横浜」と「湘南」の2エリアを切り捨ててスッキリしたのですが(そもそも横浜や湘南を対象エリアにいれたのが間違い)、長く3つ星に君臨していた2店が降格してしまった。
中国人に占領された感がある「水谷」は仕方がないにしても、「小十」の降格は多くの人が驚いたのではないか。
今にして思えば、2回転営業ながら最近はやけに予約を入れやすかったなとその兆候は感じていたのですが、パリだけではなくニューヨークへも出店を目指し、バックにはあのメディカルスキャニングが控えているのですから友里には意外であったのであります。
同じ「青柳」出身とはいえ、友里の廻りで認める人が皆無の「かんだ」が3つ星に留まっているのですから・・・
そんな「青柳」出身と中国人客が多いというハンディがありながら3つ星を維持して2回転営業で集客が順調なのがこの「龍吟」であります。
この店をベタ褒めしていた過食のオコチャマこと来栖けい氏とのちょっとした諍いで一時期は足が遠のいておりましたが、この数年は少なくとも年2回は好きな鰻を食べに訪問していた友里。
秋の訪問の時、店主から「たまには冬にも・・・(要約)」とボールを投げられたのではじめて冬期に訪問したのは昨年末でありました。
年末でしかも11周年記念(オープンしてもう11年経ってしまったようです)と銘打ったコースだったからか、普段(税不含で2万7000円)より高く設定していたと記憶しているコースのスタートです。
ウニがタップリの小茶碗蒸しの次は雲子の蕪蒸し。クラシックな蕪蒸しとは違いましたがまずまずか。温かい料理の後は冷いお浸しイメージの唐墨とバチコ。特に「極上」と銘打ったカラスミは美味しかった。
“一番出汁”への想い、と銘打つお椀は雑煮ベース。
どの店でも、お椀の吸い地には「一番出汁」を使うと思うのですが、京都の好きな和食店(御料理はやし)とは傾向が違う出汁ながら東京和食としては十分なお味。ちょっとカツオが強いと感じますけど。
アン肝、蒸しアワビ、伊勢エビ、烏賊、数の子とあまり得意ではない造りのあとは、備長炭で焼いた「キンキ」でありました。
調理的には悪くはないけど、鰻の時と大差ない味付けでちょっとがっかり。しかも大好きな海老芋がマッシュのように煮崩していて食感がなかったのも残念でありました。
牛のすき焼き仕立てでまた持ち直して、〆は白トリュフたっぷりのフグ雑炊でお腹は一杯となったのであります。
クラシックな日本料理とはまったく別もので、友里的にはハズレもたまにあるのですが、コース後半の焼き物(鰻や牛)やご飯ものは毎回ほぼ満足。
次回はこの店自慢の鮎か鰻のシーズンに再訪しようと心に決めて(大げさか)店を後にしたのであります。