読者から、ビル建て直し(ミキモトビル)のため来年はじめからしばらく休業に入ると聞いた銀座のグランメゾン「レカン」。
10年ほど足が遠のいていた友里ですが、数年前に合コン、もとい、女性を含めた会食で久々に訪問してから料理の美味しさを再認識して再訪を繰り返しておりました。(と言っても、年に2回ほどの訪問でしたが)
あと2ヶ月で休業となる前に料理を確認しなければならないと急いで予約して訪問したのは11月の終わりでありました。
当日は、名残を惜しむ常連客でホールは満席だと思っていたのですが、空席がいくつか目立つなどまったくの拍子抜け。
スタッフに確認しますと、これでも休業宣言で予約が増えているとのことでしたから、友里の高評価はまったく功を奏することなくいつでも予約がオッケーのグランメゾンに甘んじていたようであります。それでは当日の料理を振り返りましょう。
まずはアミューズ2皿。記憶が定かではないのですが、ホタテ(ソルベ乗せ)と栗のスープだったかなと。アミューズとしては結構存在感があり悪くはなかった。
そして友里が前菜で頼んだ1品目は厚岸の牡蠣。
フレンチでも最近は生状態での提供が多いのですが、しっかり加熱調理したものはやはり美味しい。やはりフレンチは手をかけなければとあらためて思った次第であります。
続いて頼んだのは、昨年も頼んで満足した秋野菜とトリュフのエミルション。
ソテーやグリルしたと思われる秋野菜に秋トリュフを乗せたものですが、これが毎回美味しいんですね。今回も非常に満足したのであります。
メインはこの店ではたまに用意されているヴェッシー調理。
豚の膀胱を風船のように膨らませて中に食材を入れて密封して加熱する手間のかかる調理でして、現在は調理用バルーンや真空調理で代替される古典フレンチの手法であります。
東京では西麻布の「ブルギニオン」くらいしか他に見かけない調理なんですが、鶏料理に適用したらは特に美味しい。
今回はあまり得意ではない小鳩でありましたが、もしフランス産の若鶏を使ったこの調理を見かけたらぜひ試していただきたい一品であります。
友里はこのメインで終了となりましたが、連れが頼んだのはこれまた古典のクレープシュゼット。これも最近のフレンチでは、グランメゾンといえどもほとんど見かけなくなったテーブル脇でやるパフォーマンス。
美味しいかどうかは別にして、女性にはウケるデザートであると考えます。
いつもは値付けが比較的安いと思われるボルドー古酒を、この日はお世話になった夫妻の接待だったのでブルゴーニュに変更。
やはりブルゴーニュは美味しいと、料理、ワイン、そして同伴者との会話などすべてに満足して店を後にしたのであります。
数年後に竣工となる新ビルでも地下になると漏れ聞く「レカン」。
1階に出店して欲しかったですが、料理とワインのクオリティが変わらないなら、ぜひオープン直後に駆けつけてみたいものであります。