ファストフードに慣れた客限定、どれ味 銀座店

まさにタレント、業界人好みの店「どれ味 銀座店」。人気店のようですが、私は朝番組「旅サラダ」で小林綾子氏が紹介するまで知りませんでした。
ウリは「マヨネーズパフォーマンス」。何かと思えば、お好み焼きに空中に飛ばしてマヨネーズをかける技であります。味とまったく関係ない「客引き行為」ですが、妙に記憶に残っておりまして、予約を入れました。TVでは客の肩越しに飛ばしたように見えたので万が一を考えて、汚れても構わない服での訪問です。
人気店なのか、17時か20時の入店時刻を指定されます。スタッフは「平日は3回転、土日は4回転する」と豪語していましたから驚きです。アラカルトもありますが、〆に例のお好み焼きがある3コースの中から一番高いその名も「EXPENSIVE」(6000円)を選択。アペタイザーが5皿、いくつかの鉄板焼きを挟んで「どれ味焼き」で終わる10皿超の多皿コースは味濃い料理の連続で、友里の舌と胃袋KO寸前となりました。
まずは韮のビシソワーズ。何とトリュフオイルを注射器で振りかけます。気色悪い。3種のチーズ焼きをトマトソースで食べる1品は、冷めてしけったかの食感で味濃いだけ。牛すじの煮込み、カジキマグロのプロヴァンス風、和牛のコチュジャンソースも単純な濃厚味。肝心の和牛はパサパサでありました。刺身用だというホタテのパン粉焼、なぜか添えられているガリが甘すぎてダメ。ホタテもレアな調理でしたがイマイチ。魂のワンスプーンと称する一口料理は、牡蠣、豚トロ、もんじゃ焼きの皮、トリュフオイルをスプーンに全部盛ってきます。この取り合わせに絶句。牛とフォアグラの「蒲焼きソース」もその発想に唖然。勿論肉はパサパサで料理の体をなしていない。ロブスターのアクアパッツァも、出汁を入れすぎて食材自身の旨みを楽しむものになっておりません。そして「どれ味焼き」、単なるお好み焼きを15に切り分け、長方形に並べ替えてマヨネーズを飛ばしてくるだけの物でありました。
周りの客はほとんどが若者ばかり。ジュースで食べている女性客も多かった。ビールにハウスワイン(ボトル)を頼んでの支払いが一人1万円チョイ。食材の滋味や繊細な調理を好む人には耐えられない「どれ味」、店名を「こい味」に変える事を提案させていただきます。