このコンセプトの店を待っていた、オッジ ダルマット

西麻布と恵比寿に展開していた「ダルマット」が、西麻布店の真上、つまり1階部分に新しいコンセプトの店を出店しました。
5000円前後の多皿コースのこのイタリアン、1500円で白・赤ワインが飲み放題なのが人気の素でありますが、この店は更に予約システムに特徴を持たせております。
予約は当日の朝10時からのみの受付。つまり前日までの予約は受けず、当日に行きたくなった客のみを対象としています。
西麻布(地下)、恵比寿と繁盛店を抱えるから出来るチャレンジだと思いますが、私はこのような店の出現を待っていました。
なぜ鮨屋の予約を1ヶ月前にしなければならないのか。なぜフレンチの予約電話がつながらないのか、といった不満が世に充満しているのではないか。晴れの日の豪華フレンチの予約が1ヶ月前というならまだしも、鮨やイタリアンはその日急に食べたくなって飛び込みたいものだと考えます。
この店はカウンター席より厨房の床がかなり高い不自然な造り。以前の店の居抜きなのか、スタッフの調理を見ることが出来ず、カウンターの面白みがないのが残念。
料理は基本的に他の2店と変わりません。野菜を多用し、魚や肉の前菜に2種のパスタにメインの肉料理と7?8皿の構成。この価格(5000円)なら文句を言えない食材と調理レベル、そして総量と考えます。
前菜の位置づけである魚のカルパッチョ、白レバーのムースやハツの前菜陣もまずまず。各皿には野菜が添えられているのが嬉しい。トマトの冷製パスタはフォークまで冷やしてあるなど細かい気配りもあります。ラフランスとの相性には若干の疑問を持ちましたけど。
そしてメインは鴨と山形牛。多皿の割にはポーションもありました。和牛はそれほど旨みを感じなかったのはこの価格なら仕方ないか。お腹の具合によってグラム指定できるラグー系の温パスタで〆となりました。
コペルトに500円計上されますから実質はコース5500円。しかし、以前よりクオリティアップされた白・赤ワイン(といっても高質ではありません)の飲み放題(1500円)は健在で、生ビール(800円)はチョイ高いですがサービス料も消費税も加算されずの支払いが7800円ポッキリ。私の食後感は「満足」の一言でありました。