侵略、もとい開拓されたアメリカに郷土料理があるとは思えませんが(インディアンには郷土料理があるかもしれません)、不味いと言われるアメリカ料理の中で友里が認める、行くたびに食べる料理はステーキとハンバーガーのみ。
肉を焼くだけ、もしくは野菜を挟んでケチャップとマスタードをつけてパンで挟むだけと、調理とは言えない代物かもしれませんが、肉自体は脂まみれの和牛と違って旨みがあって美味しいだけに、苦手な人は珍しいのではないか。
そんな老若男女に好かれる(当たり外れの少ない)ハンバーガーでありますが、オアフ島のカハラモールに美味しい店があると教えられて初めて訪問したのが、この「THE COUNTER」であります。
この店の最大の特徴は、何種も用意されているバンズ(パン)やパティ(肉)だけではなく、トッピングやソースまで自分でチョイスできるということ。
ハンバーガー、サンドイッチ、サラダ仕立ての3カテゴリーに大きく分けられ、店の定番メニュー(バンズ、パティ、トッピングやソースが決まっているもの)がいつくも用意されている上に、それぞれを客が好きに選べるフルオーダーシステムもあるのです。
店内は簡素なカフェのような普請でありますが、カウンターに座っていたジモティーらしき一人客達が食べていたものを見てビックリ。
サンドイッチやハンバーガーではなく、ボウル盛られた野菜サラダみたいなものを食べていたのであります。着席してメニューを見て理解。パンや肉の種類(牛以外にもチキン、ツナの他にバイソンまであった)の選択の所に「サラダ仕立て」(パン不含)があったのです。
春先から減量に励んでいた友里は、当然ながらジモティーたちが頼んでいたこのサラダ仕立てのフルオーダーに挑戦したのであります。
肉は牛、チーズはチェダー、ソースは何が良いかわからなかったのでローストガーリック、マスタード、サルサの3種を選び、ピクルスやアーティチョーク、シュークルートの追加に加えてハラペーニョまでオーダー。
待つこと20分くらいだったか。確かにやってきたボウルにはレタスを中心としたサラダ仕立てでありましたが、肝心のパテが野菜に埋まってしまっていて自分は何を食べているのかサッパリわからない。少なくともハンバーガーではないわけでして、これならサラダとハンバーガーを別々に頼んで食べた方が満足したのではないか。
やはりハンバーガーはバンズとともに口の周りがケチャップやマスタードまみれになってかぶりつかなければ食べた気がしないというのが、今回の結論となったのであります。
同行者は定番の「カウンターバーガー」という、店の名を冠するフルオーダーではない定番人気バーガーを頼んでいましたが、そちらの方が美味しそうに言えたのは言うまでもありません。
何事もバランスが大事。パティやバンズ、そしてトッピングにソースと、それぞれ互いに相性があるだけに、自分の好みだけを選んだ寄せ集めは必ずしも美味しいものではないと悟って店を後にしたのであります。