あの店は今・・・、吉兆 名古屋店

吉兆ブランド4グループの中で、今でも膨張し続けている(株)京都吉兆。
今年もサミット効果を狙ったのか洞爺湖のウィンザーホテルに支店を出してしまいました。あの「美山荘」が撤退したこのホテルに敢えて7月出店した営業判断、世界的な金融不安で一気に不景気感が広まってしまった今、果たして正解だったのでしょうか。名古屋店に続くこの暴走、イケイケだけの若き店主・徳岡氏の手綱を引く人は吉兆内に居なかったのか。吉兆創業者・貞一翁の「屏風と店は広げたら倒れる」の教えを守っているとは思えません。
彼はミシュラン京都版にも当初は賛成派だったことは業界では有名です。なぜか最近否定する発言を始めているのが不思議です。彼のブログでは「秘書」の書き込みも目にします。堂々と秘書の存在を公表する料理人、典型的な「勘違い料理人」ではないでしょうか。
週はじめと条件は良くないですが、18時過ぎに各フロア(ミッドランド高層階)を歩く客は皆無に近かった。そしてこの吉兆名古屋店も、その夜のホールは我々以外にはわずか1組。あまりに寂しい晩餐でありました。昨年までの盛況はどこへ行ったのか。この7月の昼時も5組しか入っていませんでしたから、かなり厳しい状況であると推測します。
1万5000円の昼懐石が散々な食後感だったので、この夜は奮発して2万8000円のコースに挑戦しました。
前菜のキンメ、赤カブの酢の物は並。続く鱧とシメジ、クワイのお椀はインパクトある出汁で誰でもわかりやすいお味。吉兆らしいと言えばそれまでですが、表面的ではなくより余韻に拘った方が好みです。造りはシビの炙りとトロに伊勢エビ。しかし徳岡さんは伊勢エビが好きですね。有り難がる客が未だ居ると言うことでしょうか。その後は「子持ち鮎」の甘露煮が続きます。お椀の「鱧」といい11月までよく引っ張るとただただ感心。続いて焼蟹、岐阜牛の焼き物、炊き合わせの後またまた伊勢エビご飯で〆となるのですが、このご飯はホント美味しくありませんでした。
京都の有名店は経験していますが、「伊勢エビ」をここまで使用する店は他に知りません。観光客には喜ばれるでしょうが、食通が好むとは思えない。観光客以外は無縁の和食店と考えます。