ミシュランガイド2009年版に先駆けて11月13日に発売予定の「ガチミシュラン」(講談社)。今やミシュランウオッチャー第一人者(自称)である友里のミシュラン検証本であります。その中にミシュラン非掲載のオススメ店を載せることになり、まず思いついたのが巷で東京最高の中国料理店と評判の「福臨門 魚翅海鮮酒家 本店」です。並木通りに移転後初訪問と言うことで、数あるコースから4万2000円(上から2番目)に挑戦しました。
普請が安かった移転前と違って新店は豪華。4部屋ある個室は一見ガラス張りに見えますが、中の客が見えない仕掛けでビックリ。かなりお金をかけているようです。
まずは前菜3種。クラゲ、叉焼、すね肉のテリーヌはどれも美味しい。今夜は最高の中国料理が楽しめると胸がときめいたの
ですが、次の皿から一気に萎えてしまいました。
コースには「紅焼」とあるフカヒレ料理。醤油を使った調理ですが、事前に「上湯ベース」への変更を依頼しておきました。上湯で店の調理レベルを知りたかったからです。
果たして特別オーダーの上湯フカヒレ、最初に食した連れの言葉に私は腰を抜かしそうになったのです。「なんだ、上湯って味の素の味じゃない」。
本物の上湯がMSGスープであるはずがなく天下の福臨門が素人にもすぐわかる量を投入するはずがないと憤慨した私は、一口含んで連れの舌に感心しました。確かにかなりの魔法の粉の混入形跡を感じるのです。以前はこれほどの使用量を感じなかったので、「福臨門よ、お前もか!」と叫びたくなりました。醤油の使用は控えて貰いましたが、まさかここまで注文つけなければならないとは思わなかった。
続く北京ダック、金鶏の姿揚げ、干し鮑などはまずまずだったのですが、衣笠茸とツバメの巣にも添加物の混入を感じ取った次第であります。
その後はハタの蒸し物、ご飯もの、ツバメの巣入りの西瓜でコースは終了しましたが、支払額は酒類を入れて一人5万円を優に突破。食材が良いだけに手間暇かけた調理ならこの価格でも文句はでませんが天下の福臨門、いつの間にか年配客御用達の「桃花林」と同じような調理になっていたのには誠に残念でありました。勿論オススメ店として掲載するのをやめたのは言うまでもありません。