油ミストが気にならないならオススメか、ナポレオンフィッシュ

店名に釣られて昨年暮れに初訪問した店。その理由はナポレオンフィッシュ(香港では「蘇眉」ソウメイ)をふんだんに用意しているのかと勝手に勘違いしたからであります。

今や絶滅しかけているのか香港でも滅多に食べることが出来ないソウメイでありまして、友里も実は1回しか経験がありません。そこでこんなレアな魚が麻布十番で食べられるとはラッキーだと、知人カップルを誘って、速攻でネット予約(ソウメイ希望)をしての訪問だったのです。

高級魚を冠した店名なのでそれなりの出で立ち(服や装飾品)で臨んだ我々の初訪問でありましたが、ドアを開けて立っているとはいえ椅子から転げ落ちるほど驚嘆してしまった。
高額店どころか、そこらの大衆食堂のような内装。コートを預からないどころか掛けるところもなく、女性はバッグと共に椅子下にある手荷物ボックスに収納しなければなりません。

まあ結果的にはコートを掛けるより箱にしまった方が良かったのですけど。店内に充満する油ミスト攻撃から少しは逃げられましたので。

初っぱなから落胆してしまったからか、店オススメのパクチーサラダやよだれ鶏、キノコ鍋などの印象はほとんど残らなかった。
もちろん切り身で登場の自称ナポレオンフィッシュもどこがソウメイなのかわからないお味であったのです。

唯一感想を言わせていただくと、この店の特徴はナポレオンフィッシュではなく、発酵系の調味料を多用する調理だということ。これは期待ハズレかとそこそこで退出し、近くの有名ピザ屋で満腹にして帰宅したのであります。

 

しばらくその存在を忘れていたのですが、ネットでは未だに盛況だと知りまして、最終確認のために予約を入れようとしたのですが直ぐには入れられなかった。1ヶ月以上待機させられて、この10月はじめに再訪が出来たのです。
店内は相変わらず油ミスト充満でしたが盛況。意外に男性客比率が高いこともはじめて知りました。

お約束のお通しはいつものバーニャカウダ風。紅芯大根や茄子は切り置きなのか半乾き状態でしたが、生姜味の自称バーニャカウダは悪くはなかった。

パクチーサラダも中国醤油の味濃さからか、万人ウケするお味。でもこのパクチー、種が違うのではないか。あの特徴ある香りや味わいがまったくないんですね。よく言えば誰にでも食べやすい代物でありました。

よだれ鶏は花椒?が利いていて辛めで悪くはない。味濃いけど。
マコモダケと季節野菜の腐乳炒めは海南醤?の後押しもあってこれまた大味。でもこれも万人ウケするのではないか。

黒豚の挽肉のレタス包みはレタスの水切りが悪くベチャベチャでしたが、濃い味好きにはたまらないミンチのお味。
〆のドクダミ炒飯は肝心のドクダミの個性を感じませんでしたが、2名で1万円前後の支払額なら文句を言えたものではありません。濃い味好きを限定に、オススメできると評価を考えなおしたのであります。

帰り際、ドアの取っ手を触ったら脂でベタベタであったことを最後に付け加えさせていただきます。