ニューヨークを訪問するたびに友里が通っているブルックリンにあるステーキハウス。
猫も杓子も熟成肉だと唱えている現在の日本でありますが、そのドライエイジングという肉熟成手法の先駆け的な店であると考えます。
昔は誰もが(あの味のわからない俄グルメの小山薫堂さんも)「世界一のステーキハウス」と絶賛していたのですが、最近はちょっと評価が落ちてきたのではないか。
尻尾を振ってくる店限定はありますがヨイショが専門の山本益博氏も、良い筋のスポンサーを見つけたからかニューヨークを頻繁に訪問。
でもこの店ではなく彼のお気に入りは一昨週に取り上げた「BLTニューヨーク」というステーキハウス。確かに最近の訪問では昔のような感激が薄れてきたと案じるピーター・ルーガ-ですが、果たして新参(BLTはフレンチシェフが関与している)の後塵を拝するようになってしまったのか。友里はこの6月と8月の2回、その確認のため「BLT」とこの店を続けて訪問して食べ比べてきたのであります。
相変わらず人気が高いのかピーター・ルーガ-。1ヶ月以上前の問合せでありましたが希望の19時には予約が入らずいずれも20時過ぎ。しかも両日とも、店内ホールどころかバースペースも芋を洗うような混み具合で、席への案内を待つ客が店外に溢れておりました。
この店では肝心のステーキ以外に頼むべきものは限られております。
前菜など料理の種類が少ないからでして、サラダが数種に魚介系はシュリンプカクテルくらいしかない。アメリカのステーキハウスではお約束の生牡蠣やタルタルステーキはありません。
しかも野菜系もシンプル。シーザーサラダはありますが、あとはトマトと玉葱の輪切りやレタスのブツ切りに青カビチーズのソースを掛けただけのアイスバーグくらいか。それらをツマんでいますと、メインであるステーキがやってくるのであります。
トマト&玉葱の輪切りなんて調理と言えませんから、こんな手抜き料理、世界一のステーキハウスでしか許されるものではないでしょう。
かくして一組当たりの所要時間は1時間半程度、夜だけでも3回転はする荒稼ぎの店になってしまっているのであります。
肝心の肉でありますが、ここで頼むならサーロインとフィレの両方が味わえるSTEAK FOR TWO(或いはTHREE)というのがオススメ。俗に言うポーターハウスというものであります。
8月は3名での訪問だったのでTHREEをはじめて頼みましたが、二人前よりフィレのしめる割合が多くてお買い得でありました
。肉は大きな塊で焼く方が美味いと言われているだけに、この店へは3人か4人(FOURまであります)で訪問することをオススメします。
6月、8月と同行した客の感想は同じ。マスヒロさんが「肉を食べる喜びが湧いてきます」と述べたBLTよりこちらの店に軍配を上げたことからも、やはりニューヨークのステーキハウスでこの店をはずすことは出来ないと友里は確信したのであります。