山本益博氏が「生涯記憶に残るディナー」と大絶賛していたニューヨークの3つ星店。
友里も数年前から気になっていて、ニューヨークを訪問するたびにアメックス経由で予約のトライをしていましたが空振りの連続で今年5月も門前払いでありました。
日本の一般客には門戸を開かないのかと諦めていたのですが、ある大企業ニューヨーク店のスタッフに頼んだらいとも簡単に予約が入ってしまったのです。高い年会費を考えると、アメックスのCPは劣化したと考えます。
さてこのブルックリンフェア、予約は入りましたが人気で高飛車なのか予約時にカード番号を聞いてくるだけではなくコース料金(この店はお任せコース1本のみ)を先に引き落としてしまうんです。
今回は4名での予約でしたがその引き落とし額はなんと1314ドルほど。一人当たり3万5000円弱の勘定となっておりました。
外観は3つ星とは思えないチープ感が漂い店内はオープンキッチンの18名のカウンターのみ。ステンレス剥き出しで無機質に感じる空間でありました。
予約が殺到しているのでしょうか、18時と21時スタートの2開店営業。
更に10名と8名で40分ほど時間差をつけて入店時刻を制限していたのですが、肝心の料理がスタートして友里、この時間差スタートが実際は必要ないことに気付いたのであります。
このブルックリンフェアの料理、ほとんどの皿が造り置きでシェフは客の目の前で盛りつけしているだけなんですね。
鉄板や炭火(スチコンもありました)の焼き物もありましたが、それは女性スタッフにお任せ。シェフはバットなどから食材を取り出して盛り付け、もしくは火入れした魚や肉を皿に盛り付けてから、造り置きの突き合わせやピュレ、簡単なソースらしきものを振りかけるだけなのです。
それでは肝心の料理はどんなものかと言いますと、牡蠣ポン酢、ヒラメの刺身(わずか1片)の柚子風味、青海苔のような風味をつけたアワビ、北海道のウニ&キャビア(多分アメリカ産)、フォアグラ茶碗蒸し(鶏出汁ベース)など一口前菜が7~8皿出てから、ロブスター、金目鯛、鴨、宮崎牛といったメイン料理に移ります。
メインは女性スタッフが鉄板や炭火で適当に焼いているとしか思えない調理でありまして、アメリカ人には和風テイストが珍しく感じるかもしれませんが、日本人、特に高額和食店を渡り歩いている日本の外食好きには食材、調理技術とも中途半端。
さすがマスヒロさん
日本では他腹主体で高額和食店への訪問がない(「かんだ」がせいぜい)のでこのような料理を食べて「いま世界で最も魅力的なレストランの1軒といえようか」と発信してしまった
とわかったのであります。
ワインはボトルオーダーもありますが料理に合わせたワインペアリング(でも150ドルと高い)が無難かもしれません。
料理とワインの支払いが一人当たり5万円前後とCPの悪さは歴然。
日本人が行くとしたら、他腹か、マスヒロさんのように真の高額和食を知らない人限定でなければ満足して店を後にすることはないでしょう。