3月はじめ、けやき坂を歩いていたら、あるはずのチョコレート屋(ショコラ ド アッシュ)が消滅していてオシャレっぽいビストロのような店構えになっているではありませんか。
そこで店名を確認してあのNYの有名シェフのジャン・ジョルジュだとわかったのであります。
日本初進出なのですが本店と違ってカウンター形式であることに友里は興味を抱いたのであります。
あれは2007年頃でしたか。銀座としては立地が悪い三越裏に建設中だった化粧品会社のピアスビル。日刊ゲンダイの関係で実はこのビルへのレストラン誘致の相談を友里はピアスから持ちかけられていたのです。
その時、確か小山薫堂の絡みでテナントとして候補に挙がったのがこのジャン・ジョルジュでありました。最終的には大阪人のピアスが地代値下げ交渉に応じずご破算となり、タテルヨシノが入ることになったのですが・・・
ネットではカウンターなのにコースのみで2万4000円でワインペアリングが1万2000円と強気の値付けに賛否両論。そこで4月末に1週間前の予約で友里は検証してきたのであります。
客層は人のこと言えませんが年配客ばかり。そのためかカトラリーの他に箸まで用意されておりました。
コースは10皿の料理にデザートが3皿と友里が嫌う少量多皿攻撃でありました。
まずは味噌味のマスタードソースがかかった山菜からスタート。
でも味噌味にバターとミントがミスマッチ。玉子の殻に入ったスクランブルエッグは自称キャビアが乗せられていましたが塩気が少ない。そのかわり玉子がかなりソルティでありました。
一口アミューズの桜鱒、ウニ、ホタテは味が濃すぎ。
アボカドと本マグロの皿はなんとアボカドはフレッシュではなくペースト状態。しかも味付けは生姜とポン酢のようなもので肝心の鮪の味がしなかった。
この店の火入れは鉄板焼きが主体でして、続くフォアグラは、添えられたライチのペーストが余計で、塩を振りすぎているのか完璧に塩負けしておりました。
何の変哲もない3種の人参のロースト(サラダ仕立て)に続いて出てきたのはグリーンアスパラ。でもサヴォアのワインを使ったモリーユソースがイマイチでありました。
鉄板焼きのハタはナッツをまぶしておりましたが前皿のアスパラと味付けが被っていたのが残念。
オマールブルーは時代遅れとなったレモングラスなどの泡仕立てで登場。
バターの甘さと塩のしょっぱさが反発して肝心のオマールブルーの旨みも感じないほどの不出来な皿。
〆の肉は飛騨のA5牛でありましたが、この鉄板焼きも自称ハバネロソースがバター風味で甘いだけ。
この日の皿ではデザートの1皿目となったグラニテが一番の出来と感じたのであります。
ワインペアリングもたいしたワインが出ずに支払いは2名で9万円近く。CP悪いどころか肝心の料理も鉄板焼き含め時代遅れの甘しょっぱいだけ。
NY本店には何回か訪問しましたがこんなにひどい食後感だったか。六本木だけではなくNYの店にも行く気がなくなった友里でありました。