添加物を感じなくなったCP良い鮪&和牛の店、尾崎幸隆

尾崎牛の尾崎畜産(2011年に民事再生法申請)と鮪の仲卸・やま幸が関与しているといわれる麻布十番の和食店。
拙著「絶品レストラン」(鉄人社)では、添加物(化学調味料)を感じるけどコース価格(1万円)を考えたら納得できるとオススメ店として取り上げていたのですが、いつの間にか移転のためと称して閉店。そのまま存在を忘れておりまして、昨秋麻十を歩いていて新規オープンを偶然発見。気になっていたのですが、半年かかってやっと今春訪問することが出来ました。

料理は原則お任せコース一本。まずはシンプルな鶏スープでスタートです。
一口飲んで、「あれれ、添加物を感じないぞ」とちょっとビックリ。多少の化学調味料摂取を覚悟していたのですが友里の舌では感じ取ることが出来なかった。

続くはアサリの茶碗蒸し。甘めの出汁でありましたが、アサリもタップリで悪くはない。
そして本マグロの突先(頭の付け根部分)の小丼と尾崎牛の生内モモ肉を食して、当時と違ってMSGの力に頼らない調理に変身していると確信したのであります。

お椀はこの時期定番の若竹(若布と竹の子)。吸い地は濃い目なのは東京和食だから仕方がないか。
造りの鯛は煎り酒を添えられての提供。お江戸風の料理を意識しているとわかった次第であります。

魚は鮪と鯛だけではありません。マナガツオの焼き物は鯛の出汁と椎茸や葉山葵を乗せてありお酒が進みます。味濃いけど不自然な調味料を感じないので後味が悪くない。
居酒屋的な料理がもう1品でてきて(何がでたか失念)コースは終盤、ウリのマグロ握りの登場です。
部位は赤身と中トロ。他の客には大トロのような部位が出ていましたから、もしかしたら脂タップリが苦手な友里と正体がバレていたかも。どちらもまずまず美味しいマグロ握りでありました。

揚げ物はホタテ。居酒屋料理といってしまえばそれまでですが、本マグロと和牛を取り入れてのこのコース価格でありますから、悪く感じるはずがない。そして本日のメイン、尾崎牛の炭火焼きが出て、ご飯もので〆となったのであります。

炭火焼きは牛はロースでありましたが、不自然な脂を感じないもの。添えられた白山葵(ホースラディッシュか?)と塩、ポテサラもイケておりました。
ご飯ものは白飯の他に、お約束の温泉玉子のトリュフ飯。以前ならここでも不自然なトリュフオイルの添加が気になったのですが、今回はそれほど不自然なものを感じず、気分良く食事を終えることが出来たのです。

ビールに8000円のシャンパン、そして牛肉に合わせてグラスの赤ワインを頼んだので支払いは一人当たり1万円台後半となりましたが、初訪問の同伴者も再訪したいと言っていたほど良かった食後感。
メイン食材がマグロと牛ですから季節をそれほど感じるコース構成ではないですが、マグロと和牛を楽しめるCP良い高額居酒屋と考えれば、年に何回かのリピートはありの店だと友里は考えます。